ニュージーランド航空、ストライキを回避

(ニュージーランド)

オークランド発

2018年12月26日

ニュージーランド航空は、クリスマス休暇前の最も利用者が多くなる時期に組合側がストライキを計画していることを発表し、その影響が懸念されていたが、ストライキは回避され、クリスマス期間中も通常どおりの運航が行われた。

ニュージーランド航空は12月7日、航空・海運・エンジニアリング協会(AMEA)および航空整備士やフライトアテンダントなどを中心とした労働組合エトゥー(E tu)との賃上げなどに関する労使交渉が難航した場合、21日にストライキが行われる可能性を示唆していた。10日の労使交渉で合意に至らなかったため、組合側は11日、ストライキの規模を21日のみならず、同日から3日間に拡大すると発表していた。その後、12日に会社側と組合代表の間で合意に至り、合意内容に関して組合員の賛同が得られれば、ストライキは回避される方向となった。

仮に3日間のストライキが実施された場合、ニュージーランド国内外の旅客約12万人に影響が出ると見込まれていた。合意の詳細内容は明らかにされていないが、ニュージーランド航空側は、過去12年間にわたり、従業員の昇給を実施してきたと主張。その上で、組合に対して、即時の2%昇給とその後12カ月間の3%昇給などを今回提案していたが、組合側は拒否していた。

同社によると、ストライキの対象となっていたニュージーランド航空の整備士や運航関係職員の平均年収は11万5,000ニュージーランド・ドル(約851万円、NZドル、1NZドル=約74円)でニュージーランド国内全労働者の平均賃金の2倍以上になっており、そのうちの170人は15万NZドル以上の年収としている。

(奥貴史)

(ニュージーランド)

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