英国規格協会、ブレグジット後も欧州標準化組織に継続加盟

(英国)

ロンドン発

2018年12月03日

欧州標準化委員会(CEN)および欧州電気標準化委員会(CENELEC)は11月23日、英国規格協会(BSI)が英国のEU離脱(ブレグジット)後も2020年12月31日までメンバー国として継続参加することを総会において合意した。

CENおよびCENELECによる離脱日から2020年末までの今回の「移行期間」は、ブレグジットに関する離脱協定案に規定される移行期間からは独立したものとして定められた。従って、仮に英国議会で離脱協定が否決され、EUと合意なき離脱(ノー・ディール)となる場合でも、CEN/CENELECによる移行期間は導入され、BSIは2020年末までこれまでと同様の権利と義務がある正式なメンバー国のステータスを継続できる。ただし今後、CEN/CENELECがステータスの見直しに合意した場合などでは、一定の権限が制限される可能性がある。

移行期間中、CEN/CENELECは英国・EUの政治情勢や規格基準の市場への影響の情報収集をし、移行期間終了後のBSIの扱いを決定していく。またBSIも、移行期間はBSIが2021年以降に恒久的なメンバーとして残るための解決案を模索する期間であり、移行期間の終了がCEN/CENELECへの加盟終了を意味するものでないとしている。

英国側は、政府のEUとの将来関係に関する白書などでも、BSIの欧州標準化組織への継続参加を求めている。BSIのスコット・スティードマン標準化(担当)役員は、ブレグジット後の欧州標準化システムにおける英国の地位を確保したとし、「今回の決定は、英国の産業界と消費者に確実性を与えた。同時に、われわれのステークホルダーがこれまでと同様に、欧州の標準化の維持や進展に影響を与え続けることを可能にした」とコメントした。英国分析・制御・自動化機器工業会(GAMBICA)は、今回の決定は欧州の標準化システムに安定をもたらし、英国産業界が欧州・国際的標準の作成・維持に引き続き重要な役割を果たすことを可能にするもの、と歓迎した。

(鵜澤聡)

(英国)

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