ロンドンでスタートアップイベント、先端技術が集まる

(英国)

ロンドン発

2018年11月02日

ロンドンで最大級のスタートアップイベント「テックデイ(Tech Day)・ロンドン」が10月25日に開催された。本イベントは2012年に米国で始まったイベントで、ロンドンでは3回目の開催となり、英国など欧州を中心とする約200社が参加した。今回のイベントでは、フィンテックやブロックチェーン関連技術、ライフスタイルや医療技術など、幅広い分野の技術が集まり、先端技術を来場者に披露する場となった。

写真 会場には200社近くの企業が集まった(ジェトロ撮影)

会場には200社近くの企業が集まった(ジェトロ撮影)

ジェトロは、この機会を活用して、日系スタートアップ7社の支援事業を行った。7社には事前に英国のアクセラレーターによるメンタリングを実施し、本イベントでの商談機会を最大限に活用するためのノウハウを提供した。また、当日は出展のほか、各社による技術・事業のプレゼンテーションの機会を設け、各社はIoT(モノのインターネット)ソフトウエアや感情解析AI(人工知能)、ブロックチェーンなどによるユニークな技術をPRした。参加企業からは「キャッシュレス化の進んだ英国は、フィンテック関連技術と親和性が高い」「ケンブリッジやオックスフォードなど世界有数の研究機関を抱える英国では、進出した際に質の高い学生の獲得も期待できる」といった声もあった。

英国は、投資を呼び込む大胆な施策や、洗練された自由市場、レベルの高い教育機関、公用語としての英語の優位性などの複合的な要因で、優秀な人材・情報・企業・投資家が集まっているといわれる。米国の通信販売大手アマゾンは10月に、英国の3拠点で、高技能労働者1,000人以上を追加雇用する計画を発表した。マンチェスターに2019年新設予定の研究開発拠点に加え、既存のケンブリッジとエディンバラの2拠点も拡張する。同社は、2017年には東部ショーディッチにオフィスを新設しており、テック拠点としての英国への期待度の高さがうかがえる。

(木下裕之)

(英国)

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