経済・産業団体はEU離脱協定案の閣議承認を評価

(英国)

ロンドン発

2018年11月16日

英国のEU離脱(ブレグジット)に関わる離脱協定と政治宣言の実務レベルでの合意文書が閣議で承認された(2018年11月15日記事参照)のを受け、英国の経済や産業団体が声明を発表した。

英国商工会議所(BCC)のアダム・マーシャル事務局長は、「このマイルストーンに達するために首相と政府による多大な努力が払われたと産業界は認識している」とした上で、合意内容が人々の生活と企業の利益のバランスを取るものであるかを慎重に見極める必要があると述べた。また、「企業は、今後の貿易における明確さと精緻さを求めているが、それはまだ合意されていない。貿易条件の急な、あるいは複数の変更を回避することは重要だ」とした。

英国経営者協会(IoD)のステファン・マーティン事務局長は、「企業経営者は交渉が結論に達するこの段階を待ち望んできた。長く時間がかかったが、英国とEUの間で前進があり、離脱文書と将来関係の概要に合意したことを歓迎する」と表明した。また、「合意なくEUを離脱することは、企業、労働者、消費者に非常に悪い結果をもたらす。合意を否決することはそういったリスクを伴う」として、合意内容が今後議会で否決される可能性への懸念を示した。

英国産業連盟(CBI)のキャロライン・フェアバーン事務局長は、「(合意内容が)議会を通過すれば、『ノー・ディール』という悪夢から遠ざかることになる。移行期間の確保は、長く企業が最優先事項としてきた」とコメント。また「最終的な関係についてのさらなる明確さが必要で、不確実性は依然として大きいが、一方で前進に向けた大きな一歩」と肯定的な評価を示した。

総じてEUとの将来関係に関しては、企業が予見性を高めるためのより一層の明確さや詳細を求める一方で、交渉の前進として前向きな評価を示している。

(木下裕之)

(英国)

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