高速鉄道プロジェクトの国際入札、2019年に実施予定

(チリ)

サンティアゴ発

2018年11月22日

チリのピニェラ大統領は10月30日、サンティアゴ~バルパライソ間の鉄道計画に関し、2019年に国際入札を実施する意向を発表した。2018年1月に、チリのシグドコッパーと中国鉄道公社のコンソーシアム、TVS(Tren Valparaiso Santiago)による高速鉄道プロジェクトが発表(総建設費16億ドル。首都サンティアゴ~主要港バルパライソ間を45分で運行)され、手続きが進められたが、認可取得には至らなかった。

その後も複数の企業からプロジェクトの提案が行われてきたが、透明性担保の観点から、公共事業省を通じた国際入札が行われることとなった。ピニェラ大統領は2019年中に入札を実施したいと述べており、実施時期などについては今後、詰めが行われることとなる。なお、TVSが発表した計画に関し、チリ国鉄(EFE)の既存貨物路線の活用やサンティアゴ、バルパライソ両都市の地下鉄などとの連携を考慮すべきとの議論が出た経緯もあり、入札仕様の詳細が注目される。

ルートについては、サンティアゴからワイナリーが集積するカサブランカを通り、バルパライソ港へとつながるルートと、途中で分岐しサンアントニオ港までつながるルートの2本が想定されている。形態は乗客輸送と貨物輸送の両方で、鉄道開通により、首都と両港を結ぶ国道68、78号線の渋滞解消および貨物輸送体制の強化が期待される。

(中山泰弘、岡戸美澪)

(チリ)

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