ブルーエコノミー会合開催、日本も共催

(ケニア)

ナイロビ発

2018年11月30日

ケニアの首都ナイロビで11月26~28日に「ブルーエコノミー会合」が開催され、世界各国から要人を含めて約1万人が参加した。ブルーエコノミーは、海洋資源などを活用した経済で、持続可能な経済活動を推進するコンセプトだ。会合は環インド洋連合(IORA)が中心となり、2015年9月にモーリシャスで、2017年5月にジャカルタで開催された。今回は対象を「海(Seas)、湖、川、海洋(Oceans)」と定義して参加国を広域化し、2015年に策定された「持続可能な開発のためのアジェンダ2030」、パリ協定、2017年に開催された国連海洋会議に基づく国際会議と位置付けた。日本はカナダとともに、本会合を共催した。

写真 会場となったケニヤッタ国際会議場(KICC)(ジェトロ撮影)

会場となったケニヤッタ国際会議場(KICC)(ジェトロ撮影)

会合は、(1)各国リーダーによるブルーエコノミーへのコミットメント会合、(2)テーマ別セッション、(3)共催国などによる60以上のサイドイベント、(4)自治体首長らによる会合、(5)ビジネス・民間セクターフォーラム、(6)学術シンポジウム、(7)市民参加型社会フォーラム、(8)ディアスポラ(移住者)サイドイベント、(9)展示会、で構成された。

日本からは、佐藤正久外務副大臣がコミットメント会合に参加し、国土交通省と国際協力機構(JICA)がそれぞれサイドイベントを開催した。展示会には在ケニア日本大使館、JICA、ジェトロが共同ブースを出展し、ジェトロは進出日系企業の活動を紹介した。ブースには、ケニアのウフル・ケニヤッタ大統領をはじめ要人が訪れた。

写真 日本ブースを訪問したケニヤッタ大統領(KAI GLOBAL LTD.提供)

日本ブースを訪問したケニヤッタ大統領(KAI GLOBAL LTD.提供)

国連の人口推計によれば、2050年に世界の人口は98億人に、アフリカは25億人に達する見込みで、食糧、エネルギー、雇用などの不足が懸念される。海に面し湖を有するケニアにとって、海洋資源の持続的な活用は重要課題だ。一方、必要資金の調達や資源乱獲の規制に関する整備はめどが立っていない。ケニヤッタ大統領は、ビジネス・民間セクターフォーラムで「ブルーエコノミーの実現には企業の参画が不可欠。官民パートナーシップ(PPP)の枠組みを活用し、民間の技術や経験をインフラの充実や海洋資源の開発に役立ててほしい。限りある資源を活用するため、政府の努力はもちろん、自主規制を心掛けてほしい」と訴えた。

写真 ビジネス・民間セクターフォーラムでの大統領スピーチ(ジェトロ撮影)

ビジネス・民間セクターフォーラムでの大統領スピーチ(ジェトロ撮影)

(久保唯香)

(ケニア)

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