海外からの来訪者へのVAT還付を開始へ

(アラブ首長国連邦)

ドバイ発

2018年11月14日

アラブ首長国連邦(UAE)の連邦租税庁(FTA)は、2018年11月18日から海外からの来訪者がUAE国内の対象店舗で購入した商品の付加価値税(VAT)還付を開始すると発表した。18歳以上のUAE非居住者は誰でもタックスフリーで購入できるようになるため、湾岸協力会議(GCC)統一VAT導入済みの国の人々も含まれることになる。

制度開始に先立ち、FTAは国際支払いサービス企業プラネット(Planet)と、還付業務について3年間の委託契約を締結した。Planetが発表したガイドラインによると、還付請求が可能な最低購入額は250ディルハム(約7,750円、1ディルハム=約31円)で、購入後、90日以内に申請する必要がある。ただし、以下の商品は含まれない。

  • 国内で一部でも消費されたもの
  • 自動車、ボート、飛行機
  • UAEからの出国時に携帯していないもの

還付を受けるためには、まず、登録店舗での購入時にパスポートを提示し、レシートの裏にタックスフリー・タグを付けてもらう必要がある。その後、出国時に窓口にタグ付きのレシートと購入した商品を用いて申請する。還付方法は、クレジットカードもしくは現金を選ぶことができる。申請窓口はまずはドバイ国際空港、アブダビ空港、シャルジャ空港の3カ所に設置され、12月以降はその他の空港や港、陸路の国境にも設置される見込み。

FTAによると、この還付システムにUAE全体で約4,000店舗が登録する見込みという。小売企業はPlanetのウェブサイトから対象店舗登録をすることができ、登録費用はかからない。FTAは小売企業への積極的な登録を呼び掛けている。

なお、2017年のドバイへの海外から宿泊を伴う来訪者は1,579万人だった。

(山本和美)

(アラブ首長国連邦)

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