福建省、1~9月のGRP成長率は8.3%と加速

(中国)

広州発

2018年11月08日

福建省統計局の発表によると、2018年1~9月の福建省の域内総生産(GRP)の成長率は8.3%、総額は2兆3,311億8,000万元(37兆2,989億円、1元=約16円)となった。成長率は前年同期より0.4ポイント上昇した(図参照)。

産業別の成長率は第一次産業が3.2%、第二次産業が8.5%、第三次産業が8.7%だった(表参照)。

図 福建省のGRP成長率〔前年(同期)比〕

投資や貿易の伸びは低下

項目別では、固定資産投資が前年同期比13.2%増(伸び率は前年同期より0.4ポイント低下)だった。うち、民間投資は19.2%増で、固定資産投資全体への寄与率は77.8%となった。外資系企業による固定資産投資は64.6%減と大幅に減少した。不動産開発投資は4.1%増(1.7ポイント上昇)の3,685億1,100万元だった。

表 福建省の2018年1~9月の主要経済指標

社会消費品小売総額は前年同期比11.9%増(0.6ポイント上昇)の1兆294億6,100万元だった。うち、商品小売額が12.2%増の9,260億9,000万元、飲食業収入が9.2%増の1,033億7,100万元だった。商品別では、一定規模以上企業(注)の自動車関連の売上高は9.7%増と堅調な伸びを示した。また、ネット商品小売額が22.4%増の709億元と消費全体の6.9%を占め、伸び率を1.4ポイント引き上げた。

貿易額は前年同期比8.3%増(5.8ポイント低下)の9,314億3,700万元で、うち輸出が7.3%増の5,670億600万元、輸入が10.0%増の3,644億3,000万元だった。

一定規模以上の工業企業の付加価値増加額は前年同期比9.1%増(1.2ポイント上昇)だった。うち、軽工業が8.8%増、重工業が9.5%増となった。

外部環境の不確実性が増す

福建省統計局は2018年第3四半期までの経済について、全体的に安定しており、サプライサイド構造改革の推進、新産業や経済発展の新たなエンジンの育成、経済構造の調整などが進んでいるとした。一方で、外部環境の不確実性が増しており、構造調整の痛みも表れ、経済の下押し圧力が大きくなっているとした。

(注)卸・小売業は主要業務収入が2,000万元以上の卸売業、500万元以上の小売業の法人、工業は主要業務収入が2,000万元以上の法人。

(河野円洋)

(中国)

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