2018年通年のGDP成長率予測を3.0~3.5%に上方修正

(シンガポール)

シンガポール発

2018年11月26日

シンガポール貿易産業省(MTI)は11月22日、2018年通年のGDP成長率の予測を前年比3.0~3.5%と、これまでの2.5~3.5%から上方修正した。また、2018年1~9月のGDP成長率は前年同期比3.6%だった。

予測修正の背景について同省は、第4四半期のGDP成長率が、軟化するものの、引き続き堅調との見込みを示し、製造業や金融・保険などの外部需要に左右される部門の成長が軟化しながらも拡大を続け、2018年内のGDP成長を下支えすると指摘した。

MTIによると、第3四半期の実質GDP成長率(改定値)は前期比年率(季節調整済み)で3.0%だった(表参照)。製造業も、一般製造業部門を除く全ての部門で拡大したことから、第3四半期は3.0%増と、第2四半期の3.3%増に引き続きプラス成長を維持した。また、サービス業も、輸送・倉庫や宿泊・飲食サービス、情報通信部門が好調だったことから、4.6%増加した。

表 シンガポールの実質GDP成長率の推移

2019年は1.5~3.5%成長を見込む

また、MTIは2019年のGDP成長率見通しについて、前年比1.5~3.5%とした。同省は、2019年のシンガポールの外部需要が前年と比較してやや弱含むと指摘する。また、米国と主要な貿易相手国との貿易紛争や金融引き締めなど国際経済のリスクも悪化傾向にある、と述べた。これを受け、「シンガポール経済の成長のペースが2019年に、2018年と比べて軟化する」との見通しを示した。

(本田智津絵)

(シンガポール)

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