自動車政策「Rota2030」の法令化議会手続きが完了

(ブラジル)

サンパウロ発

2018年11月09日

11月8日に、上院で自動車政策「Rota2030」に関する法案が可決され、法令化に向けた議会手続きが完了した。法案は今後、大統領の裁可の後に官報に公示され、発効する。Rota2030は2018年7月5日付暫定措置令843号として既に発効していたが、120日以内に議会での審議を経て正式法令化する必要があり、11月16日がその期限になっている。

今回、暫定措置令843号と、下院で可決され上院で審議された法案を比較したところ、Rota2030の条文に関して、主に次のような変更点がみられた。第1に、ハイブリッド車を想定した工業製品税(IPI)税率の恩典が明記された。具体的には第2条4項で、「ガソリン、アルコール燃料を、代替的あるいは同時的に用いるエンジン(フレキシブル・フューエル・エンジン)を備えたハイブリッド車は、同等クラスの同じタイプのエンジンを備えた車に比べて最低でも3%のIPI税率の低減を受ける」との記載が新たに入った。第2に、第8条に示されたRota2030の方針として、7項で「モビリティ・ロジスティクス分野の雇用の拡大、維持を保証する」との文言が新たに加わった。第3に、暫定措置令843号 第9条2項で記載されていた、ブラジル国内で製造しない車両等(注)の流通業者を対象に含める文章が、今回の法案では削除された。

国内の自動車業界団体からは、法令化手続きの遅れを懸念する声も上がっていたが、11月7日に下院を通過後、翌8日には上院でスピード可決されたことに関して、驚きと同時に、議会手続き完了を歓迎するコメントが出されている。

(注)HSコード8701から8706。

(二宮康史)

(ブラジル)

ビジネス短信 1af0401bbaa79e83