アラバマ州のアイビー知事、トランプ通商政策に反対を表明

(米国)

アトランタ発

2018年11月05日

アラバマ州のケイ・アイビー知事(共和党)は11月1日、アラバマ州自動車製造業協会主催の夕食会でスピーチし、トランプ政権が検討している追加関税に反対する姿勢を強く表明した。

アラバマ州自動車製造業協会イベントでスピーチ

アラバマ州にはホンダ、メルセデス・ベンツ、現代自動車のOEMやトヨタのエンジン工場があり、自動車産業の雇用は5万7,000人以上に上る。2018年1月にトヨタとマツダが同州北部のハンツビルに工場設立を発表して以降、州内への関連企業進出意欲はさらに高まっている。こうした中で、自動車部品への追加関税措置は企業の投資や生産活動に影響を及ぼしかねず、アラバマ州にとっても大きな逆風となる。

アイビー知事は、6月にウィルバー・ロス米商務長官宛ての書簡で「追加関税によって州内4,000人の雇用が失われる」と追加関税措置への懸念を表明し、その後も数度にわたり追加関税への反対姿勢を表明してきた。

夕食会のスピーチでは、アイビー知事は「トランプ大統領とは良好な関係にある」としつつも、「トランプ政権の通商政策は州の自動車産業にとって好ましいものではなく、その点で大統領とは一線を画す必要がある」と通商政策への反対の立場を明確にした。数日前にペンス副大統領がアラバマ州を訪れた際にも、アイビー知事はトランプ大統領に対する懸念を表明したという。自動車産業が州の重要産業と位置付ける同知事は、トランプ大統領の発言をまねして「アラバマを再び偉大にしたい」と述べ、州商務省のスローガンである「メード・イン・アラバマ」ブランドの価値を今後も高めていく意向を示した。

(ラマース直子)

(米国)

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