「Future Investment Initiative」でムハンマド皇太子が発言

(サウジアラビア)

リヤド発

2018年10月29日

サウジアラビア・リヤドで10月23~25日に開催された国際会議「Future Investment Initiative」(2018年10月29日記事参照)2日目のハイライトは、サウジのムハンマド・ビン・サルマン皇太子、バーレーンのサルマン・アルハリーファ皇太子、レバノンのサード・ハリーリー首相が登壇した 「Transform the Arab world into a global powerhouse(アラブ世界を世界の経済大国に変える)」と題されたセッションで、巨大な会場は立ち見がでるほどの聴衆で埋め尽くされた。

セッション冒頭に、ジャーナリスト殺害事件に関するムハンマド皇太子の発言があり、(1)事件はサウジ全国民にとって非常に悲しい出来事である、(2)犯罪であり正当化されるものではない、(3)トルコ政府との共同調査を通じ最終的に事件は明らかにされる、との表明がなされた。

皇太子はその後のセッションで、「ビジョン2030」発表後の3年間における成果として、財政改革、公共事業見直し、歳出に占める公務員給与比率の低減、雇用の増加、世界競争力順位の上昇、文化・エンターテインメント・スポーツの振興などについて言及した。

また皇太子はアラブ世界の今後に関し、サウジの変貌とともに、エジプトの成長、ムハンマド・ビン・ザーイド・アール・ナヒヤーン・アブダビ皇太子の先見性とリーダーシップ、レバノン・オマーンで取り組んでいる改革の成果、イラクの市場性について言及した。さらに、地域の発展には断交中のカタールも含まれる旨の発言もあり、今後の対カタール外交に新しい動きが出る可能性をうかがわせた。5年後にはアラブが世界を牽引する存在になると明言すると、会場は大きな拍手と歓声に包まれ、強いリーダーシップへの高い期待が示された。

会議3日目はやや参加者の数は少なかったものの、財政均衡化や民営化のベストプラクティス・モデルを探るなど、同国にとって重要なテーマを取り上げたセッションが開催され、NEOM、エンターテインメント都市、紅海沿岸開発といった巨大プロジェクトの進捗報告が行われた。最後に今回の会議を振り返る映像がメイン会場の大スクリーンに投影され、拍手喝采を受けながら閉幕した。

(庄秀輝、佐々木宏行)

(サウジアラビア)

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