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WTOパブリックフォーラム、テクノロジーの影響と可能性を議論

(WTO、世界)

国際経済課

2018年10月05日

WTOは10月2~4日、公開型会議「パブリックフォーラム」をジュネーブの本部で開催した。今回のテーマは「2030年の貿易(Trade 2030)」で、現在、そして将来の貿易と持続可能な成長などについて112のセッションが各国政府機関、市民団体などによって開かれた。会議冒頭の全体セッション外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますでは、将来の貿易を見据え、テクノロジーの影響やその可能性などについて議論が交わされた。

アゼべドWTO事務局長は冒頭のスピーチで、将来の貿易について考えるに当たり、貿易のもたらす利益が「包摂的(inclusive)」であることのほか、気候変動や進化するテクノロジーがますます重要な要素だ、と指摘した。特に、一層多くの貿易が最新のテクノロジーを活用して行われ、雇用の創出にも大きな影響を与えていることに触れた。その上で、現在の貿易システムが将来的な変化に適応しているかに疑問を投げ掛け、国際社会が早急に行動を起こす必要性を訴えた。

全体セッションのパネリストとして注目を集めたアリババのジャック・マー会長は、現在のテクノロジーに対して世間の不信感が少なからず存在し、その状況は1990年代のインターネットへの不信感に共通するものがあると述べた。当時指摘された懸念の多くは杞憂(きゆう)に終わったことに触れながら、新たなテクノロジーを恐れるのではなく、いかにこれらを取り入れながらビジネスを展開していくかが、ビジネスのオンライン化が進む現代、そして将来に備える術だ、と主張した。同じくパネリストとして登壇した、運送サービスプラットフォームを提供するShippoのローラ・ウー氏や、フィンテックを用いて途上国の中小企業への融資を行うLidyaのトゥンデ・ケヒンデ氏といった起業家も、テクノロジーが、中小企業が活用することのできるビジネスツールの増加に寄与している点、またこれにより従来と比較して貿易を含めたビジネス展開にかかるコストが削減されている点を評価した。

Q&Aセッションでは、マー氏が、政府による貿易やイノベーションの促進は重要な一方で、技術の発展を妨げる規制が各国・地域に存在することを指摘した。起こり得る問題は政府の規制ではなく、新たに生まれるであろうビジネスによって解決されるべきとし、政府の適切な対応の重要性を唱えた。

(長崎勇太)

(WTO、世界)

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