飲食サービス業のライセンス申請、2019年から簡素化

(シンガポール)

シンガポール発

2018年10月16日

飲食サービス業のライセンス申請手続きが2019年に簡素化され、申請期間が短縮されるとともに、ライセンス料が引き下げられる見通しだ。チー・ホンタット上級国務相(貿易産業、教育担当)は10月4日、シンガポールレストラン協会(RAS)主催の式典における演説で、官民代表からなる貿易産業省(MTI)の「プロ・エンタープライズ・パネル(PEP)」が見直しを進めている、飲食サービス業のライセンス申請手続きの途中経過と今後の計画を明らかにした。

現在、同国で飲食業を始める場合、内外資を問わず最大で14省庁が所管するライセンス申請が必要で、申請の際の入力項目数は最大845項目に上る。チー国務相によると、申請手続きの見直しで重複項目を削除し、会計・企業監督庁(ACRA)の登記情報を自動入力することで、入力項目を現時点で200項目まで削減しており、「最終的には100項目以下とすることを目指す」と述べた。さらに、各省庁の申請フォームを一元化し、ライセンス申請の際は申請書を1回アップロードするだけの仕組みにする見通しだという。

またチー国務相は、申請プロセスの効率化によりライセンス料を引き下げる方針を明らかにした。現時点で既に総額500シンガポール・ドル(Sドル、1Sドル=約82円)以上のライセンス料の削減に成功しているとして、ライセンス承認までの期間も、これまでの42日間から28日間に14日間短縮する見通しだとした。

なお、PEPは官民代表からなる委員会で、規制など企業の懸案事項に対する解決策を政府に提案するために設置されている。チー国務相は5月の国会演説で飲食業ライセンスの簡素化計画を発表し、MTI、スマート国家デジタル政府オフィス(SNDGO)、テクノロジー庁(Govtech)など複数の政府機関が共同で見直しを進めていると述べていた。

(源卓也)

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