中欧鉄道利活用による日中第三国市場協力シンポジウムを開催

(中国)

上海発

2018年10月24日

「中欧鉄道利活用による日中第三国市場協力シンポジウム」が10月16日、上海国際貿易中心で開催された。同シンポジウウムは、経済産業省から委託を受けた日本通運とジェトロ上海事務所が共催したもので、10月25日に予定されている安倍晋三首相訪中の際に開催される「日中第三国市場協力フォーラム」の事前イベントとして位置付けられた。シンポジウムには、在上海の日系企業を中心に多くの企業から参加があった。

経済産業省貿易経済協力局の安藤晴彦審議官があいさつと日中第三国市場協力に関する講演を行い、日本通運の杉山龍雄常務執行役員、在上海日本総領事館の亀井啓次首席領事、ジェトロ上海事務所の小栗道明所長がそれぞれあいさつした。

シンポジウムの内容としては、(1)日中第三国市場協力、(2)中欧鉄道事業の概況、(3)中国における鉄道輸送事業の状況や輸送リスクと保険サービスについて、日本側関係者による講演が行われた。この中で、中欧鉄道の運行状況、国境における貨物の取り扱い状況、通関制度、関連設備など具体的な説明がされた。これに加え、中国側から、地理的に中国の中心に位置し、内陸港、鉄道輸送のハブを目指す陝西省の西安国際陸港投資発展集団やカザフスタンを経由するユーラシア鉄道の利用に関してカザフスタン鉄道の担当者も講演を行い、各社の鉄道貨物の運行状況や関連設備について説明があった。

今回のシンポジウムは、席が足りなくなるほど盛況で、また参加した各社はシンポジウム終了まで各講演者の話に熱心に耳を傾けた。日中第三国市場協力、中欧鉄道の利活用やその現状に関する日系企業の関心と期待の高さがうかがわれた。

5月の李克強首相の訪日に続く、10月下旬の安倍首相訪中と日中第三国市場協力フォーラム開催など、日中経済分野の協力強化により、中国における日本企業のビジネスチャンス、また日系企業と中国企業との協力による第三国でのビジネス拡大が期待される。

写真 経済産業省の安藤審議官の講演(ジェトロ撮影)
写真 シンポジウム会場での、日本通運の杉山常務執行役員のあいさつ(ジェトロ撮影)
写真 ジェトロ上海事務所の小栗所長のあいさつ(ジェトロ撮影)

(飯田大介、高橋大輔)

(中国)

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