豊田通商、グジャラート州でものづくり学校開校

(インド)

アーメダバード発

2018年10月23日

豊田通商インディアが、インド西部グジャラート(GJ)州マンダルに人材育成機関「TOYOTA TSUSHO NTTF TRANING CENTER(TNTC)」を開校した。開校式は9月24日、マンダル日本企業専用工業団地にあるプラグアンドプレイ型工場内で開催され、マンダル地域周辺の25の村から選出された35人が入学した。

TNTC設立の背景として、GJ州マンダル地域周辺で増加している日系企業進出に伴い、課題となっている同州出身のものづくり人材の不足解消がある。TNTCは10月18日、経済産業省より日本式ものづくり学校(JIM:Japan-India Institute for Manufacturing)の認定を受けた。

JIMの設立は、モディ首相が推進する政策「メーク・イン・インディア」および「スキル・インディア」の実現に向けた日印両政府の取り組みの一環であり、日系企業がインドの若者に、日本式の労働倫理や技能を直接指導し、製造現場の中核人材の育成を目指している。JIM認定校は、スズキ、トヨタ、ダイキン工業、ヤマハ発動機、日立建機、アーレスティ、豊田通商、テルモの8校となる。

TNTCは、豊田通商インディアが教室・ラボなどの設備提供、運営・管理を担い、ネトゥール技能訓練基金(NTTF:Nettur Technical Training Foundation)が座学や実習を、TNTCに参画する日系企業各社がOJTの場所提供と日本式の労働倫理や技能の直接指導を受け持つ。3年間の教育プログラムでは、最初の3カ月は月曜日から土曜日までフルタイムで座学を行い、その後33カ月間は、1週間のうち5日間のOJTと1日の座学を行う。規定のプログラムを修了した生徒には、ディプロマ(高等専門学校の卒業資格に相当)が与えられる。

豊田通商インディアの金澤勇一社長は「日本式の労働倫理やものづくり技術を学び、自身の成長だけでなく、マンダル地域社会の発展、インド経済の発展に寄与されることを期待している」と生徒に語り掛けた。同社の山明広アーメダバード支店長は「日本企業の求める知識・技術を習得してもらう本プログラムを提供することで、若い世代の将来と地域社会に貢献したい」と述べた。

写真 TNTC内の設備について説明する金澤社長(右端)(ジェトロ撮影)
写真 オリエンテーションの様子(ジェトロ撮影)

(丸崎健仁)

(インド)

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