カリフォルニア州、上場企業に女性役員配置を義務化

(米国)

サンフランシスコ発

2018年10月03日

カリフォルニア州のジェリー・ブラウン知事は9月30日、上場企業に対し女性役員の配置を義務付ける法案(SB-826)に署名した。上場企業の取締役会メンバーとなる女性役員の増加は、カリフォルニア州経済の活性化や、職場における女性の機会の改善になるとしている。このような義務付けは、同州が全米初になる。

この法律により、カリフォルニア州に本社を置く上場企業(米国で上場している外資企業を含む)は、2019年末までに役員会に最低1人は女性を含まなければいけない。また、2021年末までに女性役員の最低数は引き上げられ、役員が4人以下の企業は最低1人の女性役員、役員が5人の企業は女性役員を2人に、役員数が6人以上の企業は女性役員を3人に増やさなければならない。州国務長官に取締役の情報を適時に提出できない場合の罰則は、初回で10万ドル、2回目以降で30万ドル。1年間にわたり、女性役員ポストに在籍者がいない場合に違反の対象になるが、一時期でも女性役員ポストに在籍した場合はその限りではない。

なお、「女性」の定義は、出生時の性別に関係なく、本人が女性としてジェンダーを自認する個人としている。

カリフォルニア州に本社を置く上場企業の女性役員に関する調査報告書(2017年)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)によると、2017年6月30日時点で同州上場企業445社全体の役員(3,645人)のうち、女性が占める割合はわずか15.5%。また、全体の4分の1強(26.1%)が役員会に1人も女性を配置していない。

女性役員が1人もいない企業の割合を同州産業別(不動産、情報技術、工業、ヘルスケア、金融、生活必需品、消費財)でみると、ヘルスケア(124社/33.9%)で最も高く、同州で上場企業数の最も多い情報技術(142社)では23.2%だった。地域別(ベイエリア:244社、セントラルコースト・バレー:20社、南カリフォルニア:181社)では、ベイエリア21%、セントラルコースト・バレー20%と比べて、南カリフォルニアが33%と女性役員を配置しない企業の割合が最も高かった。

(田中三保子)

(米国)

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