日独の第三者認証機関、「イノトランス」で連携をアピール

(ドイツ)

ベルリン発

2018年10月04日

9月18~21日にベルリンで開催された国際鉄道技術専門見本市「イノトランス2018」(2018年10月3日記事参照)において、日独の第三者認証機関(注)による連携の進展が注目を集めた。日独双方の規制や関連する評価基準に対応するため日本品質保証機構(JQA)がドイツの認証機関テュフ・ノルドグループ(本部:ハノーバー)のブースに参加し、日独共同で来場者を迎え、国際規格に基づく適合性評価サービスにおける日独連携をアピールした。

テュフ・ノルドは、ドイツ鉄道から実証試験場(テストベッド)の提供を受けるなど連携し、鉄道分野の認証サービスを提供している。そうした背景からドイツ鉄道の担当者もテュフ・ノルドのブースに参加し、サービスの紹介を行った。

写真 「イノトランス2018」のテュフ・ノルド出展ブースに集合した同社、JQA、ドイツ鉄道の関係者(ジェトロ撮影)

これに先立ち、JQAは9月1日、ドイツに駐在員事務所を開設した。日EU経済連携協定(EPA)に対応した日系企業の欧州市場進出、欧州企業の日本市場進出を支援するほか、欧州における規制対応およびCEマーキングなどの認証取得をサポートする。

JQAが安全性国際規格に適合していると認証した生活支援ロボットが、2017年12月に、テュフ・ノルドによりEU医療機器指令(MDD; Medical Device Directive)に適合すると認証され、この成果は4月に開催された産業技術見本市「ハノーバーメッセ」でも発表された。欧州では、2020年5月26日から新規則(MDR、Medical Device Regulation)が適用されることが発表されており、日欧の認証機関による一層の連携が期待されている。

(注)定められた基準や品質を持たしているかを検査・認証する組織。

(増田仁)

(ドイツ)

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