プラスチック製品の規制強化、使い捨て禁止の法案

(ルワンダ)

中東アフリカ課

2018年10月04日

ルワンダ環境管理局は、使い捨てプラスチックの使用を禁止する法案を内閣に提出した(「ニュー・タイムズ」紙9月23日)。2008年にプラスチック袋の国内製造、輸入、使用を禁止する法律(以下、2008年法)が施行されており、プラスチック(ポリエチレン)袋は既に取り締まりの対象だ。本法案が議会承認を経て施行された場合、ストローやカップなどの食事補助用品も新たな規制対象となる。2008年法と同様、販売だけでなく、製造、国内への持ち込みも禁止される可能性がある。

ビンセント・ビルタ環境相は「ニュー・タイムズ」紙のインタビューで、「関係者は環境保護を目的とした本法案を好意的に受け止めている」と述べている。環境管理局のフォースティン・ムニャジクウィウェ次長は、プラスチック規制を3段階で順次導入すると説明した。第1段階は2008年法、第2段階は今回の法案で、ストローなどの使い捨てプラスチックを対象とする。第3段階はペットボトルを対象とする予定だが、同国では現在、ペットボトルの代替製品がないため、民間業者との話し合いを重ねた上で、規制に乗り出す方針だ。

写真 ルワンダで使われているストローとペットボトル(ジェトロ撮影)

ルワンダは「清潔で、健康的で、豊かな」国にするビジョンを掲げ、月に1度、地域住民が集って清掃活動(「ウムガンダ」)をするなど、政府主導の環境保全活動に取り組んでいる。また、自治体が十分なごみ処理施設を有しておらず、ごみの量自体を減らす狙いもある。

一部の欧米メディアでは2008年法の運用に懐疑的な報道もあり、密輸されたプラスチック袋が闇市場に存在して実効性が乏しい点や、無許可でプラスチック袋を所持した場合、6~12カ月の懲役または10万~50万ルワンダ・フラン(約115~575ドル、1ルワンダ・フラン=約0.00115ドル)の罰金が科せられる点などを挙げていた(「アルジャジーラ・アメリカ」2016年2月25日、「ニューヨーク・タイムズ」紙2017年10月28日)。

本法案が承認されれば、アフリカではセイシェルに次ぎ2番目の使い捨てプラスチック禁止制度の導入国となる。2017年8月にはケニアでもプラスチック袋規制が導入されており(2017年8月31日記事)、アフリカにもプラスチック規制の動きが広まりつつある。

(山崎有馬)

(ルワンダ)

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