日鉄住金物産の合弁企業が新コイルセンター設立へ

(バングラデシュ)

ダッカ発

2018年10月01日

日鉄住金物産とバングラデシュの地場建設・建設資材販売大手マクドナルドスチール・ビルディング・プロダクツ(MS)が出資する日本・マクドナルドスチール・インダストリーズ(N&M)は9月23日、今後政府が開発する予定のミルシャライ経済区内に新たなにコイルセンターを設立することを発表した。2018年末ごろから建設を開始し、2019年半ばには操業を開始する予定だ。

N&Mは2014年からチッタゴンの工場で、鋼板の剪断(せんだん)加工および販売事業を行っている。日鉄住金物産がN&Mに母材を供給し、N&Mがそれを加工し、MSがそれを販売または建設資材に利用することで、市場に供給する仕組みだ。現在の資本金は7,000万タカ(約9,100万円、1タカ=約1.3円)だが、新工場設立のために2億5,400万タカの増資を行う。最大生産能力は、第1工場が年間1万5,000トンなのに対し、新工場は5万トンと3倍以上になる。出資比率は従来どおり、日本50%:地場50%だ。

バングラデシュでは年々、鉄鋼の需要が大幅に増加している。N&Mによれば、2017年の鉄鋼の輸入量は約540万トンで、2013年から2倍に増えている。その多くは低所得者層向けのトタン屋根や鉄筋に使われており、アブル・カエル・スチールやBSRMといった古参の地場大手企業に席巻されている。一方、インフラを含めたより硬度の高い建築・建造物への需要により、H型鉄鋼などの輸入量も大幅に増加している。こうした中、N&Mは同市場に早期に参入しており、新工場はN&Mがマーケットリーダーを目指す上で、重要な戦略の1つとなっている。

(古賀大幹)

(バングラデシュ)

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