オーストリア企業、中国のウインタースポーツエキスポに出展

(オーストリア、中国)

ウィーン発

2018年10月02日

中国・北京で9月19~22日に開催されたワールドウインタースポーツ(北京)エキスポに、オーストリア企業24社が参加した。同エキスポでは、ウインタースポーツに関する展示会、カンファレンス、ウインタースポーツの普及に向けたイベントなどが開催され、オーストリアは今回パートナー国に選ばれていた。

オーストリア連邦産業院(WKO、商工会議所に相当)が運営したオーストリアパビリオンへの参加24社のうち、ケーブルカー大手のドッペルマイヤー、スキー場の入退場ゲートなどのハード・ソフトを開発するアクセスは、既に中国市場でビジネスを展開している。ドッペルマイヤーは、中国において過去25年間にロープウェーを120基設置しているが、そのうち20基はこの2年間に完了したもので、さらに2022年の北京冬季オリンピックに向け9基を建設中だ。

他方、アクセスは中国での売り上げは総売上高の2~3%だが、マーケットシェアは30~35%に達し、中国の上位10スキー場のうち5カ所で同社のシステムが採用されている。同社は、2018年4月に中国での長年のビジネスパートナーである欧道智瀚(北京)科技の買収によって、2022年までにシェアを50%に拡大することを計画している。そのほか、パビリオンには、スキー板のフィッシャー、スキーのレンタルシステムのウィンターシュタイガー、雪上車のケスボーラ、人工降雪機のエルソなどが出展した。

オーストリアの「スタンダード」紙によると、2016年末時点で646カ所だった中国のスキー場は、2018年6月時点では738カ所に増えている。オーストリア企業は、中国のウインタースポーツのニッチ市場の開拓に早くから取り組み、ウインタースポーツの専門家やスタートアップ企業を中国に送り込んできた。ウィーンにあるスキーやスノーボードのインストラクターの団体「スノースポーツ・アカデミー」は、インストラクターを80日間にわたり中国北部の亜布力スキー場に派遣した。マルティン・グラッツWKO北京商務代表によると、世界で新しいスキー場が建設されている唯一の主要国は中国で、ウインタースポーツのノウハウを豊富に持つオーストリアにとって、大きな商機があるという。

(エッカート・デアシュミット)

(オーストリア、中国)

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