ポスコ、塩湖のリチウム採掘権を買収

(アルゼンチン、韓国、オーストラリア)

ブエノスアイレス発

2018年09月03日

韓国の鉄鋼大手ポスコは8月27日、オーストラリアのギャラクシー・リソーシーズがアルゼンチンで保有していたリチウム採掘権の買収を完了したと発表した。買収したのはアルゼンチン北部カタマルカ州とサルタ州にまたがる、標高約4,000メートルのオンブレ・ムエルト塩湖の北半分を占めるリチウム採掘権で、買収金額は2億8,000万ドル。5月に両社は買収に合意していた。ポスコは子会社へのリチウムの安定供給のため、アルゼンチン国内にリチウム製造工場を設け、2021年から20年間、年2万5,000トンの生産を目指す。

アルゼンチンと隣国のチリ、ボリビアのリチウム産出地域は「リチウムトライアングル」と呼ばれる。アルゼンチンでは、今回買収が行われたオンブレ・ムエルト塩湖のほかにも、豊田通商がリチウム生産に携わるオラロス塩湖やサリナス・グランデ塩湖などが点在している。エネルギー省によれば、2016年に3万335トンだったアルゼンチンのリチウム生産量は、2022年には5倍近い14万5,500トンまで拡大できる見通しだ。

(紀井寿雄)

(アルゼンチン、韓国、オーストラリア)

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