中国、アフリカ諸国に総額600億ドルの支援を表明

(中国、アフリカ)

北京発

2018年09月12日

中国とアフリカ53カ国の首脳・国家元首が参加して中国・アフリカ協力フォーラム(FOCAC)が9月3~4日に北京で開催された。習近平国家主席は3日の基調演説外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますにおいて、「中国がこれまで実施してきた中国・アフリカ『10大協力計画(注)』の推進をベースに、アフリカ諸国と密接に協力し、今後3年間および一定期間において『8大行動』を重点的に実施する」ことを明らかにした。

「8大行動」では、(1)産業促進、(2)インフラの相互接続、(3)貿易円滑化、(4)グリーン発展、(5)能力開発、(6)健康・衛生、(7)人的・文化的交流、(8)平和・安全保障という8つの分野での協力を実施するとした。

中国は「8大行動」の実施を促進するため、政府援助、金融機関・企業の投融資などにより、アフリカ諸国に対し600億ドルの支援をするとした。その内訳は150億ドルが無償援助・無利息借款・優遇借款、200億ドルが貸付限度額の設定、100億ドルが中国・アフリカ開発性金融特別基金の設立支援、50億ドルがアフリカ諸国からの輸入貿易融資特別基金の設立支援で、これに加え、中国企業が今後3年間で100億ドル以上のアフリカ諸国への投資を行うよう促すとした。

また、4日に行われた首脳円卓会議では「より緊密な中国・アフリカ運命共同体の構築に関する北京宣言外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますと「中国アフリカ協力フォーラム・北京行動計画(2019~2021)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」が採択された。

王毅外相は9月6日に発表した談話で、「今回のフォーラムの実務面の成果は、『北京宣言』『北京行動計画』の両文書と『8大行動』に集約されており、これらが今後の一定期間における中国とアフリカ諸国の関係発展の綱領および指針となる」と述べた。さらに、「『北京宣言』は主として戦略的・世界的問題における中国とアフリカ諸国双方の重要な共通認識を表明したもので、『北京行動計画』は今後3年間の中国とアフリカ諸国の協力について具体的に実施する計画を表明したもの」とした。

(注)10大協力計画は、2015年に南アフリカ共和国ヨハネスブルクで開催された中国・アフリカ協力フォーラムにて発表された。同計画には、工業化協力計画、農業近代化協力計画、インフラ協力計画、金融協力計画、グリーン発展協力計画、貿易・投資円滑化協力計画、貧困削減・国民生活改善協力計画、公共衛生協力計画、人的・文化的協力計画、平和・安全保障協力計画が含まれる。

(藤原智生)

(中国、アフリカ)

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