風力発電の買い取り価格、11月1日から引き上げ

(ベトナム)

ハノイ発

2018年09月25日

ベトナム政府は9月10日、風力発電の買い取り価格の引き上げを定めた首相決定39/2018/QD-TTg号(首相決定39号)を公布した。同決定は、2011年6月29日付の首相決定37/2011/QD-TTg号を補足したもので、施行は2018年11月1日、2021年11月1日までの時限立法となる。

ベトナムにおいて、風力発電は固定買い取り制度(FIT)が採用され、ベトナム電力グループ(EVN)が買い取る。これまでの買い取り価格は1キロワット時(kWh)当たり1,614ドン(約7.8セント、1ドル=約2万2,683ドン)だったが、今回の首相決定39号では陸上発電が1,928ドン(8.5セント)、洋上発電が2,223ドン(9.8セント)となった。

新しい買い取り価格は、2021年11月1日以前に商業運転を開始し、国家送電網に接続していることが適用条件で、有効期限は20年となる。首相決定39号が施行される前に商業運転している風力発電の場合、新価格は2018年11月1日以降の契約の残存期間に対して適用される。

今回の変更は、企業からの買い取り価格引き上げに対する要望などが反映されたかたちだ。当地の日系電力ビジネス関係者は、価格引き上げがビジネスをする上で追い風になるとの見方を示している。一方、ベトナムの電力小売料金は、産業・地域・時間によって価格帯が異なるが、新価格が適用された場合、小売価格帯によってはEVN側に利益が出ない恐れがある。このため、EVNとの電力買い取り契約(PPA)の交渉が円滑に進むか懸念する声もある。

(佐藤進)

(ベトナム)

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