中国からのCPEC関連融資の一部が明らかに

(中国、パキスタン)

カラチ発

2018年09月26日

パキスタン計画開発改革省は9月3日、中国・パキスタン経済回廊(CPEC)の進捗を上院委員会に報告し、CPECの状況が明らかになった。同報告によると、CPECの最新の概況は以下のとおり。

  • 2015年4月に中パ両国が署名した際のプロジェクト総額は460億ドルだったが、現在は490億ドルに増額されている。
  • 現在までに中国から60億ドル程度が融資されている。利率は2.29%、貸付期間は5~7年の猶予期間を含めて25年間。
  • 現在進行中のプロジェクト総額は280億ドル。そのうち220億ドルを占める15のプロジェクトは電力開発で、発電容量は1万1,110メガワット(MW)。そのうち3,300MW分の発電所は既に完工し、国内に電力供給を開始している。そのほか、7~9カ所の電力関連プロジェクトが2019年7月までに完工する予定。
  • CPEC関連プロジェクトの進行により、現在パキスタンで就労する中国人は約1万に上っており、約6万8,000人のパキスタン人の雇用を創出している。
  • 次回の両国のCPEC会合は、2018年11月または12月に北京で開催する予定。

これまで、中国によるパキスタンへの貸し付け条件などの情報は公開されておらず、外国投資家を含む当地経済界から、CPECに関して不安視する声が上がっていた。今回の報告で、その一部が明らかになった。

(久木治)

(中国、パキスタン)

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