英国の担当相、ナイジェリアのスタートアップに7,000万ポンドの支援表明

(ナイジェリア、英国)

ラゴス発

2018年09月12日

英国のテレーザ・メイ首相のナイジェリア訪問に合わせ、首都アブジャで8月29日に開催された起業家イベントで、英国のハリエット・ボールドウィン・アフリカ担当相は、英国政府がナイジェリアのスタートアップ(起業家)支援に7,000万ポンド(約100億円、1ポンド=約143円)のプログラムを導入すると発表した、と現地紙が報じている。英国はフィンテック(ITを駆使した金融サービスの創出)で世界をリードしており、マイクロファイナンスや、それを活用した農業分野を中心に、ナイジェリアとの人材交流プログラムを進め、10万人の雇用創出と、300万人の所得水準向上などの経済効果を期待するとした。

ナイジェリアのオシンバジョ副大統領は「2016年に25年ぶりのマイナス成長を記録するなどの不況を機に、起業家の活動が活発になり、政府はフィンテックを中心とした雇用促進策を策定している」と述べ、英国との協力に期待を寄せた。

メイ首相のナイジェリア訪問に合わせ、英国のフィンテック企業であるアズィモが、ナイジェリアで決済サービスを提供するインタースイッチとの提携を発表した。アズィモの創設者であるマイケル・ケントCEO(最高経営責任者)は「巨大かつ急速に増加する人口とスマートフォンの普及が結び付いたナイジェリアは、明らかに世界最大のフィンテック市場だ。ナイジェリアをリードするインタースイッチとの提携で低コストのデジタル金融サービスを英国とアフリカで開発することによって、欧州23カ国とナイジェリアの間で即時資金決済が可能になる。ナイジェリアで銀行口座が持てない人にも金融サービスを提供することが可能になる」と期待を述べた。

ダン・アンド・ブラッドストリート・クレジット・ビューローズのミグエル・リーンズCEOは「ナイジェリア国民のうちクレジット機能にアクセス可能な人口は全体の2%にすぎない。ナイジェリアの商業銀行は公共部門やわずか2%のマーケットにフォーカスするのをやめ、中小零細企業に融資すべきだ」と指摘している。

(西澤成世)

(ナイジェリア、英国)

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