ペルー産コメの輸入制限を解除

(コロンビア)

ボゴタ発

2018年09月11日

コロンビアとペルー両国の貿易および農業担当相らによる閣僚会議が8月23日、ボゴタで開催された。会議では、コロンビアがペルー産コメの輸入制限解除に応じ、ペルーはコロンビア産の砂糖やチョコレート菓子など10品目に課していた制裁関税の撤廃を決めた。

コロンビアは国内産業の保護を目的に、2001年以降ペルー産コメの輸入制限を行ってきた。両国が加盟するアンデス共同体(CAN)事務局は、輸入制限がCANのカルタヘナ協定に違反するとしてアンデス仲裁裁判所に訴えを起こし、2005年4月、同裁判所はコロンビアに対し違反行為を停止するよう命じた(同判決118-AI-2003)。しかし、その後もコロンビアが輸入制限を継続したため、同裁判所は数回にわたり、コロンビア産農産品や菓子などに対しCAN加盟国が追加関税を課すことを認める決定を下してきた。

閣僚会議での合意によると、コロンビアはペルーが8月5日以降コロンビア産の砂糖や菓子など10品目に課していた10%の制裁関税を撤廃することを条件に、9月1日以降、1年目に4万5,000トン、2年目に9万トン、3年目には11万トンまでコメの輸入量を拡大し、その後は無制限とする。また、ペルーとエクアドルへのコメ輸出に意欲を示し、検疫面での協力を要請した。一方のペルーは、コロンビアの協定違反が認められた場合には再度制裁関税を課す可能性を明記した。

今回の両国の歩み寄りにより、2国間貿易の拡大が見込まれている。コロンビアからペルーへの2017年の輸出額は11億3,800万ドル(前年比8.3%増)で、輸出全体の2.9%を占める(表1参照)。ペルーが制裁関税を課していた砂糖や菓子の輸出額は1億2,600万ドルで、鉱物性燃料に次ぐ重要産品だ。コロンビアのペルーからの輸入は表2のとおり。

表1 コロンビアのペルー向け輸出額(FOB価額)
表2 コロンビアのペルーからの輸入額(CIF価額)

なお、コロンビア農業協会(SAC)は8月30日、政府に対しカルタヘナ協定の農業セクターに関わる内容の抜本的見直しを要望した。締結から49年を経て加盟国の経済状況の変化は明白であり、特に家禽(かきん)、コメ、パーム油、青果、砂糖の条件を優先的に精査し、公正でバランスの取れた協定にすべきだとしている。

(茗荷谷奏)

(コロンビア)

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