世界最大級のスタートアップイベント「SLUSH上海2018」開催

(中国)

上海発

2018年09月20日

上海市嘉定区にある安亭上海自動車会展センターで9月7~8日、「SLUSH(スラッシュ)上海2018」が開催された。SLUSHはフィンランド発祥の世界最大級のスタートアップイベントで、母国の首都ヘルシンキ以外では、東京、シンガポールでも開催されている。中国での開催は2015年10月の北京、2016年10月の上海に次ぎ3回目となった。

1万2,000平方メートルの会場内には、メインとなる「HIGH WAY STAGE(ハイウエーステージ)」をはじめ5カ所のプレゼンテーションエリアのほか、スタートアップ企業やスポンサー企業の展示エリア、ビジネスマッチングエリアなどが設けられた。主催者発表によると延べ1万2,000人以上が来場し、700人以上の投資家・機関が参加した。大学生を中心とする約800人のボランティアが運営に関わっており、来場者も20代、30代とみられる若者が中心で、会場内は多くの若者の熱気に包まれた。

写真 「SLUSH上海2018」入り口の様子(ジェトロ撮影)

ピッチコンテストには、医療・ヘルスケア、ブロックチェーン、IoT (モノのインターネット)、IoV(乗り物のインターネット)の分野で選考を勝ち抜いた74社が参加し、2日間のプレゼンテーションと審査員によるQ&Aの結果、肺がんの早期発見技術の深セン因合生物科技が優勝、光通信技術の杭州閃易科技が2位、ブロックチェーンのOath Protocolが3位となった。

写真 ピッチコンテストエリアの風景(ジェトロ撮影)

2015年に政府が「大衆創業、万衆創新」(大衆による創業、万人によるイノベーション)の政策を掲げて以来、中国でスタートアップとユニコーン企業が急増する中で、欧米発のイベントが中国でたびたび開催されている。上海で開催される「CES ASIA」や「MWC」(Mobile World Congress)といった国際的な展示会では近年スタートアップエリアの充実が図られている。米国発のテック系メディアであるTechCrunch(テッククランチ)はこれまで、上海のほか、北京、深セン、杭州でイベントを開催している。

写真 企業のプレゼンテーションを聞く来場者(ジェトロ撮影)

(小栗道明)

(中国)

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