スポーツ庁、国外からの観戦者のために特別のビザ発給

(サウジアラビア)

リヤド発

2018年09月27日

スポーツ庁は9月25日、国外からの特定のスポーツ観戦者を対象に、オンライン申請できるビザ発給システム「シャーレク(Sharek)」を初めて運用すると同庁のSNSで発表した。

これは12月15日、首都リヤド近郊のディルイーヤと呼ばれる地区で、フォーミュラE(化石燃料を使わない電気自動車のフォーミュラカーによるレース)が開催されることが背景にある。ディルイーヤは、サウジアラビア建国前(第1次サウード王国)に首都があった歴史的な地域で、ユネスコの世界遺産にも登録されている。スポーツ界では、フォーミュラEが国内で初めて開催されることや、F1で脚光を浴びていた一流レーサーらが集結することで期待が高まっている。

現在、サウジアラビアでは外国人が観光目的で入国するためのビザは発給されていない。シャーレクを通じたビザ申請方法やサイトは順次明らかにされていくとみられるが、スポーツ庁が、商用ビザなどで渡航する場合に必要な現地の招聘(しょうへい)元になると思われる。中長期的に観光客を呼び込みたいサウジアラビアにとって、こうした特別の入国ビザが、観光ビザ発給に向けた一歩になることが期待されている。

(柴田美穂)

(サウジアラビア)

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