世界初、QRコード決済の規格を統一

(シンガポール)

シンガポール発

2018年09月21日

オン・イエクン教育相は9月17日、複数の電子決済方法に対応ができるよう、統一のQRコード決済「シンガポールQRコード(SGQR)」の導入を発表した。発表によると、QRコードの規格を統一するのはシンガポールが世界で初めて。これにより、同国の27種類の電子財布や電子決済のQRコードが向こう6カ月で段階的に、統一規格である「SGQR」に一本化される。第1弾として、都心部の中央ビジネス地区(CBD)の店舗で9月中にもSGQRが導入される予定。

シンガポール政府は2014年11月から推進する「スマート国家」構想の一環として、電子支払いシステムの改善を通じて、キャッシュレス社会の実現を目指している(2018年8月15日記事参照)。同国ではこれまで、複数のQR決済方式が乱立しており、店舗側はそれぞれの決済方式に対応したQRコードを表示する必要があった。しかし、各店舗は今後、SGQRを1つ表示するだけで済むことになる。利用者側も、自分が利用するスマートフォンの電子決済や電子財布のアプリがSGQRに対応していれば、スマホを同コードにかざすだけで支払うことができる。

SGQRの導入に当たって1年前から、オン教育相が理事を務める通貨金融庁(MAS、中央銀行に相当)と情報通信メディア開発庁(IMDA)が率いるタスクフォースが準備を進めていた。同タスクフォースには、中国の「アリペイ(支付宝)」や「ウィーチャットペイ(微信支付)」などの電子決済、アメリカン・エキスプレスやJCBのクレジットカード会社など31社の代表者が参加した。

(本田智津絵)

(シンガポール)

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