国民議会議員選挙で与党が絶対安定多数を維持

(モーリタニア)

パリ発

2018年09月26日

モーリタニアでは、国民議会議員選挙、市議会議員選挙および地方議会議員選挙が行われた。9月1日に第1回投票、15日には決選投票が行われ、独立選挙委員会(CENI)のベラル委員長によって9月17日に暫定結果が発表された。大統領派の与党・共和国連合(UPR)が国民議会議員選挙で過半数を維持した。市議会議員選挙および地方議会議員選挙でも第1党の座を保った。投票率は第1回投票が73%、決選投票は56%だった。

大統領選視野に任期上限延長の法改正を後押しか

98政党が候補者を擁立した今回の選挙では、「過激派野党」と呼ばれる民主勢力集会(RFD)さらには複数の政党、市民団体、組合、知識人らを広く結集した「民主・結束国民フォーラム」が統一候補者を擁立して選挙に臨むなど、野党勢力の躍進の度合いが注目された。しかし、結果は国民議会議員選挙では大統領派の与党UPRが157議席中89議席を獲得し、絶対安定多数を維持した。

モーリタニアでは、2019年に大統領選挙を控えている。現行の法制上、大統領の任期は2期が上限と定められているが、今回の選挙で与党が勝利したことにより、現職のアブデルアジズ大統領の3期目の立候補を可能にする法改正に着手するとの見方が広がっている。なお、改正の歯止めとなり得る上院は、既に2017年8月の憲法改正国民投票で廃止されている。

また、地方議会議員選挙では与党が13地方全てで過半数を獲得し、第1党の地位を維持したものの、市議会議員選挙では主要都市で苦戦がみられた。首都ヌアクショットではイスラム派テワッソール党が率いる野党連合に僅差で勝利し、市議会の過半数を勝ち取ったが、経済首都ヌアディブでは過半数を割ったため、議長の座を失うことになった。

(渡辺智子)

(モーリタニア)

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