ロンドンで日用品の展示会「トップ・ドロワー」開催

(英国)

ロンドン発

2018年09月19日

インテリア、ギフト、家庭用品、文具、ファッションなど日用品の展示会「トップ・ドロワー」が9月9日から11日までの3日間、ロンドンで開催された。同展示会には、600社弱、1,000を超えるブランドが出展し、国内外から1万人を超えるバイヤーが訪れた。出展品の多くはデザイン性に力を入れた商品で、展示スペースの多くは街中のギフト店や百貨店のインテリア用品売り場を模したデザインだった。

来場者に聞いたところ、展示を見るだけでも自店の飾り付けの参考になると語った。また、英国企業の出展者の1人に聞くと、独立系の小売店のバイヤーが各地から来場するため、自分で地方や海外を回る手間を省けることが魅力だと語った。

英国人がギフトを贈る機会は、誕生日とクリスマスが最も多く、学期末の恩師への謝礼、バレンタインデーなどが続く。どんな場合でもカードを付けるのが特徴だ。プレゼントがなくてもカードだけは贈る。同居する家族にプレゼントを贈る場合でもカードは不可欠だ。こうした習慣を受けて、今回の展示会でもカードの出展ブースが多数みられた。

日本企業の出展もあり、日本ブース(ジャパンパビリオン)にはジェトロの公募で選ばれた1都6県の中小企業10社が出展した。今回出展した日本製品に共通するのは、シンプルなデザインながら機能性を兼ね備えていることだ。例えば、福島県の家庭用木製品製造販売を行う光大産業は、国産ヒノキを使ったキッチン用品シリーズ「FIDO」を出展した。同社は環境に対する意識も高く、森林の環境保護に関する厳しい基準のFSC認証を得ている。石川県の文具・事務用品企画・販売を行う山越の「ペパラブル」シリーズのメモ紙は、本物の花びらや葉と見まごうような透明な素材感を持つ。

新潟県のステンレス製品企画・開発を行うヨシカワは、冷えて硬いバターを糸状に削り取れるバターナイフや細くしなるステンレス製のスパチュラなど「EAトCO(イイトコ)」シリーズを出品した。バターナイフには刃物と同等の硬度を持つステンレスが使われる、スパチュラはしなりやすくするためにヘラと取っ手部分では薄さが異なっているなど工夫されている。同社の吉川力社長は「デザインと機能だけでなく、長年培った高度な技術が投入されていることが強みだ」と語った。

写真 「トップ・ドロワー」の会場(ジェトロ撮影)
写真 ジャパンパビリオンで商品の説明を受ける来場者たち(ジェトロ撮影)

(岩井晴美)

(英国)

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