食品検査庁、部分水素化油脂の使用を禁止

(カナダ)

トロント発

2018年09月28日

カナダ食品検査庁は9月17日、トランス脂肪酸の原因となる部分水素化油脂(Partially Hydrogenated Oils:PHOs)の食品への使用禁止に関する規制を開始したことを通知外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。ただし、同日以前に製造された部分水素化油脂を含む商品については、向こう2年間に限り販売を続けることが認められている。

2年間の移行期間で市場から一掃

カナダ保健省は2017年9月15日付で、部分水素化油脂(PHOs)の食品への使用を禁止することを決定、1年後の規制施行を発表していた。PHOsは2018年9月17日付で同省の指定する「食品の汚染物質および不純物リスト」に加えられ、食品への使用が禁止された。

カナダ食品検査庁では規制施行に関して2年間の移行期間を設けている。既存の在庫を使い切り、不要な食品の浪費を避けるために、2018年9月16日以前に製造したPHOsを含む食品については、2020年9月17日までの販売を認めているが、同庁は商品検査や施設監査、抜き取り検査を通じて規制準拠の確認を行うとしている。なお、PHOsを含む加工助剤については、食品中にPHOsが残留しない限り、使用は認められている。

当地で日本から食品を輸入しているディストリビューターに対し、9月21日、本規制への対応状況について問い合わせたところ、輸入を検討していたある日本の製菓企業の全商品にPHOsが使用されていたため、輸入を断念せざるを得ないケースがあったという。カナダ向けに食品を輸出する際には注意が必要だ。

(飯田洋子)

(カナダ)

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