第2四半期のGDPは4.6%成長、好調を維持

(タイ)

バンコク発

2018年09月05日

国家経済社会開発庁(NESDB)が8月20日に公表した2018年第2四半期の実質GDP成長率は、前年同期比で4.6%と前期(4.9%)から減速したものの好調を維持した。タイの潜在成長率といわれる4%以上の成長が4四半期続いており、タイの景気回復が本格化しているといえそうだ。

GDPを需要項目別にみると、民間消費は4.5%増と前期(3.7%増)から加速した(表参照)。景気拡大による消費者のマインドが改善していることに加え、農産物の生産量拡大に伴う農家所得の増加を中心とした家計所得の改善が主な要因だ。総固定資本形成は3.6%増となった(前期は3.4%増)。民間投資が引き続き堅調で、さらに公共投資も4.9%増と前期(4.0%増)から加速した。

表 タイの実質GDP成長率〔前年(同期)比〕の需要項目別内訳

外需は、輸出が6.4%増と前期から0.4ポイント増加した一方、輸入が7.5%増(前期8.7%増)と輸出の伸びを上回ったことから、純輸出はGDP成長率に対してマイナスに働いた。

通年の成長見通し4.2~4.7%を維持

NESDBが同時に、公表した経済見通しによれば、2018年の実質GDP成長率は前年比4.2~4.7%と、前回(5月21日公表)の見通し(4.2~4.7%)を維持した。なお、タイ経済の先行きに対するリスクとして、世界の金融市場のボラティリティーの高さや米国の保護主義的な貿易政策を挙げており、輸出依存度の高いタイ経済にとって世界経済の動向は引き続き重要だ。

(阿部桂三)

(タイ)

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