資本財の対外共通関税率の適用対象外を304品目に拡大、関税率は2%

(アルゼンチン、南米南部共同市場<メルコスール>)

米州課

2018年09月25日

アルゼンチン政府は9月20日、政令837/2018号外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを公布し、南米南部共同市場(メルコスール)の対外共通関税率の資本財の適用対象外品目(例外品目)を78品目追加した。メルコスールは加盟4カ国が対外共通関税率(最大35%)を設定しており、メルコスール域外からの物品の輸入に対しては原則として共通の関税率がかかる(対外共通関税率表は政令1126/2017号別添1PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を参照)。しかし、自国内で調達が困難な品目に対しては、各国が独自に例外品目として低減税率を設定することができる。アルゼンチンは政令1126/2017号別添3PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)で対象の226品目の関税率を2%に定め、今回の政令837/2018号において304品目まで拡大した。

主な品目は以下のとおり。

セントラルヒーティング用ボイラー(NCMコード:8403.10)、船外機(8407.21)、ディーゼルエンジン(8408.10)、気体ポンプ(8414.80)、移動式クレーン(8426.12)、ブルドーザー(8429.11)、エアコン(8415.81)、洗濯機(8451.10)、乾燥機(8451.21)、ゴムまたはプラスチック用射出成形機(8477.10)、産業用ロボット(8479.50)、半導体デバイスまたは集積回路製造用機器(8486.20)、プラスチック成形用金型(8490.79)、鉄道車両(8601.10、8601.20)、鉄道用駆動ボギー台車(8607.11)、医療用シンチグラフ装置(9018.14)。

マウリシオ・マクリ政権は、2018年4月以降続くインフレ率の上昇と通貨ペソの切り下がりに苦慮している。政策金利を45%から60%に引き上げたことによる、さらなる国内消費の低迷や、年初比で50%超も切り下がったペソによって急上昇した輸入価格は、企業活動に大きな影響を与えている。こうした状況下、政府は輸入手続きの簡素化を図る目的で非自動輸入ライセンスの対象品目を減らすなどしており(2018年9月11日記事参照)、今回の政令837/2018号では追加措置として関税率の引き下げを行った次第だ。

(志賀大祐)

(アルゼンチン、南米南部共同市場<メルコスール>)

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