中西部の中間選挙情勢、トランプ氏が支持の候補者でも苦戦の予想も

(米国)

米州課

2018年08月29日

11月の中間選挙に向けて、米国各地で各党候補者を決める予備選挙が実施されているが、中西部各州では候補者が出そろった。その動向を紹介する。

前回2016年の選挙でトランプ候補の躍進が目立った中西部では、トランプ氏が支持する候補者を含めて共和党候補者の苦戦が報じられている。

中西部の下院選挙で接戦が予想される選挙区が最も多いのがミネソタ州で、1区、2区、3区、8区の計4区ある。他州では、アイオワ州が計2区(1区、3区)、イリノイ州が計2区(6区、12区)、ミシガン州が計2区(8区、11区)、オハイオ州1区(1区)だ。

共和党は、ミネソタ州でトランプ氏が大統領選挙(2016年)で勝利した下院1区と8区の獲得を目指す。この2区以外の接戦区は、共和党現職の選挙区だ。1区の候補者は、民主党がダン・フィーハン氏、共和党がジム・ハージュドーン氏。8区の候補者は、民主党ジョー・ラディノービック氏、共和党ピート・スタウーバー氏。

同州の上院選挙では、民主党のアル・フランケン上院議員が引退し、民主党の後任ティナ・スミス上院議員と共和党のカリン・ハウスリー氏が争う。予想では、民主党優勢。

トランプ氏が勝利した州では、民主党の巻き返しが注目される。アイオワ州の下院1区では、トランプ大統領が支持する現職のロッド・ブルーム下院議員が民主党代表のアビー・フィンケナウアー氏の挑戦を受ける。予想は接戦。

なお、ウィスコンシン州の下院1区では、共和党大物議員のポール・ライアン下院議長が引退を決め、民主党のランディ・ブライス氏と共和党のブライアン・スタイル氏が争う。予想では、共和党優勢。

知事選と上院選では、トランプ大統領が支持する候補者の挑戦が目立つ。カンザス州知事で共和党のジェフ・コルヤー氏は、予備選でトランプ大統領が支持するクリス・カバ州国務長官に敗れた。知事選の民主党候補はローラ・ケリー上院議員で予想は接戦。ミシガン州では、現職のデビー・スタベナウ上院議員(民主党)が共和党候補の実業家ジョン・ジェームズ氏の挑戦を受ける。ジェームズ氏は共和党で数少ない黒人候補だが、トランプ大統領は大きな期待を寄せている。現職の人気が高く、予想ではスタベナウ上院議員の当選がほぼ確実となっているが、今後のジェームズ氏の追い上げが注目される。

(注)選挙予想は、選挙分析サイト「クックポリティカルレポート(CPR)」の8月24日下院選と上院選、8月16日知事選の各予想による。

(松岡智恵子)

(米国)

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