京津冀地域でのイノベーションへの投資が拡大

(中国)

北京発

2018年08月10日

京津冀共同発展統計監測協調領導小組弁公室は8月2日、京津冀地域(北京市・天津市・河北省)共同発展計画の進捗状況に関する研究成果を公表した。同研究は、国家統計局、北京市統計局および中国区域経済学会が合同で実施した。

北京市統計局の寵江猜副局長は共同発展計画の進捗状況について、北京市統計局などが共同で推計した「京津冀地域の発展総指数(注)」(図参照)を示し、2014年から2017年までの発展が、2010年から2013年までと比較して加速したことを挙げ、「京津冀地域の共同発展計画が同地域の発展を牽引したことは明らかだ」との評価を述べた。このほか、高速道路の建設やR&D強度(域内総生産に対する研究開発費支出比率)など、個別指標にも進展がみられたとした。

図 京津冀地域の発展総指数の推移

京津冀地域内のイノベーション投資格差は縮小

個別の指標をみると、イノベーション促進の面では、京津冀地域のR&D強度は2010年の2.72%から2017年には3.18%に拡大した。また、北京市・天津市・河北省それぞれのR&D投資の地域格差を河北省を1として比較すると、2010年の7.49対3.22対1から、2017年には4.52対1.96対1となり、京津冀地域内の格差は大きく縮まった。

都市と農村の協調発展の面では、京津冀地域の都市化率は2010年の55.7%から2017年に64.9%に上昇し、全国平均を上回った。

2017年における京津冀地域のPM2.5の年平均濃度は、1立方メートル当たり64マイクログラムで、2013年比で39.6%低下するなど環境対策が大きく効果を上げた。

インフラ整備の面では、京津冀地域の高速道路の総延長距離は安定的に増加し、2010年から2017年までの延長距離の伸びは40.0%を超えた。貧困削減の面では、北京市と天津市は2013年に「貧困(ライン)」の脱却がなされ、河北省では貧困率が2010年の15.8%から2017年には1.86%に低下した。

(注)京津冀地域(北京市・天津市・河北省)の発展総指数の評価指標は、イノベーション、協調、グリーン、開放、共有という5大発展コンセプトを踏まえて設定されており、同コンセプトに係る計48項目の評価指標で構成されている。同指数の詳細については、国家統計局ウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで確認できる。

(趙薇)

(中国)

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