「リンガーハット」1号店がホーチミンでオープン
(ベトナム)
ホーチミン発
2018年08月28日
長崎ちゃんぽん専門店の「リンガーハット」が8月17日、ベトナム1号店をホーチミン市内にオープンした。同社は4月、ベトナムでのチェーン展開に向けて、1995年から現地で即席めんを生産・販売している日系企業のエースコックベトナムとフランチャイズ契約を締結していた。
店舗の立地は、観光スポットとして有名なベンタイン市場付近。同じ1区には日本食店舗が密集する地域があるが、同地に出店することで、日本人やベトナム人に加えて多くの観光客にも食してもらい「ちゃんぽん」を浸透させる狙いだ。今後1年で、ホーチミン市内を中心に3店舗程度の出店を計画しているという。
エースコックベトナムの西内一博氏によると、リンガーハットのメインターゲットはベトナムの中間層。価格は「長崎ちゃんぽん」「長崎皿うどん」ともに9万ドン(約432円、1ドン=約0.0048円)からで、多くの当地日本食店舗のラーメンの6~7割程度に設定した。料理の決め手となるスープと麺は日本で製造したものを使用するが、「多くのベトナム人に支持される即席めんを提供するエースコックベトナムが幾度となく味付けを調整した」という。
エースコックベトナムの調査では、日本のスープはベトナム人にとっては塩辛いと感じる傾向にあるため、スープの塩分濃度には特にこだわった。日本人もベトナム人もおいしいと感じる濃度を見極め、ちゃんぽんスープを日本に比べてやや減塩した。また、日本では多くの野菜が盛り付けられたメニューが人気だが、ベトナム人にはそれほど魅力ではないことから、唐揚げや角煮、チャーシューなどトッピングを拡充させているとのことだ。
ベトナム限定メニューとして、リンガーハットとエースコックベトナムが共同開発した「サイゴンラーメン」(8万ドン)も提供する。「ベトナム南部で特に愛される酸味の効いたスープ、カインチュアをベースに、リンガーハットの調理技術で炒めた風味豊かな野菜が特徴の辛くて酸っぱいラーメン」だという。
(山下大輔)
(ベトナム)
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