第2四半期の輸出は5四半期連続で最高額を更新

(スイス)

ジュネーブ発

2018年08月06日

連邦関税局の発表(7月19日)によると、2018年の第2四半期(4~6月)の輸出額は、欧州や米国など主要輸出先の好調な経済により、前期比1.4%増の557億スイス・フラン(約6兆2,384億円、CHF、1CHF=約112円)と、5四半期連続で最高額を更新した。輸入は前期比0.4%減少したものの堅調を維持し、511億CHFだった。貿易黒字は46億CHFに拡大した。

輸出を品目別にみると、全体の47%を占める化学・医薬関連品が前期比1.3%増だったほか、機械および電気・電子機器(1.4%増)、時計(1.6%増)、精密機械(2.2%増)も順調に推移した(表1参照)。スイス時計協会の発表によれば、特に3,000CHFの高級時計の輸出が好調で、時計の上半期の輸出額は4年ぶりに100億CHFを超えた。時計大手スウォッチ・グループは、アジアや米国市場での販売好調により上半期の純利益が前年同期比66.5%増と最高額を記録したと発表した。

輸出を国・地域別にみると、アジア・中東、北米、欧州、アフリカ向けともに力強く成長した。1年以上増加が続くアジア・中東向け輸出は、アラブ首長国連邦(UAE、37.4%増)と香港(6.8%増)が牽引し全体で1.8%増だった(表2参照)。中国向け輸出は過去最高額を記録した。北米向けも米国が4.5%と大きく成長し1.1%増だった。欧州はドイツ向け輸出が過去最高額を記録したほか、フランスは宝飾品輸出が牽引し17.2%増、オランダ向けも好調だった。一方で英国向けは10.9%減と前期同様減少した。

輸入を品目別にみると、宝飾品を除く主要品目で減少が目立った。化学・医薬関連品は14.1%増を記録した前期から一転、医薬品原薬の輸入減により前期比6.5%減だった。輸送機器は、前期の航空機輸入の反動減(50.8%減)により大8.7%減少した。消費財は2017年初めから継続して伸びている。国・地域別では特にアジア・中東からの輸入増が顕著で、UAEからの宝飾品の再輸入などにより、40%増加した。日本からの輸入は主に宝飾品と乗用車の輸入減により、12.5%減と2期連続で減少した。

表1 2018年第2四半期の主要品目別輸出(通関ベース)
表2 2018年第2四半期の主要国・地域別輸出入(通関ベース)

(マリオ・マルケジニ、杉山百々子)

(スイス)

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