西・中部アフリカ諸国が首脳会議開催、テロ対策で共同戦略

(西アフリカ諸国経済共同体、中部アフリカ諸国経済共同体)

アビジャン発

2018年08月10日

西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)と中部アフリカ諸国経済共同体(ECCAS)加盟の26カ国は7月30日、安全保障の強化に向けた共同戦略を話し合うため、トーゴの首都ロメで首脳会議を開催した。両共同体の首脳が地域の永続的平和と安全について協議するのは初めて。

各国首脳は、地域に広がるテロ、武器や麻薬などの違法取引、人身売買、サイバー犯罪を伴ったマネーロンダリング、暴力的過激主義に深い懸念を示すとともに、テロ・国際犯罪組織が行っている残虐な行為を非難した。

首脳会議では、地域の早期警戒対応メカニズムの構築を通じて、紛争予防に取り組んでいくことや、より効果的な地域間協力による国際組織犯罪との戦いに向け、司法共助および司法協力の強化など、包括的なアプローチをしていくことで一致。また国際社会に対し、イスラム過激派に対処するチャド湖流域委員会多国籍合同機動部隊やG5(サヘル)合同軍への資金、技術、物的支援を要請した。

首脳らは、特にリビアの混乱が地域の情勢不安に拍車を掛けているとして、同国の和平を推進する国際的な取り組みの強化を呼び掛けた。また、内政混乱が長期化するコンゴ民主共和国と中央アフリカに対し、コンセンサスに基づいた選挙の実施と和平・和解プロセスの推進を支持する立場を表明した。

同首脳会議では、ECOWASとECCASが地域の安定化と治安能力の強化を目指し、テロや暴力的過激主義の脅威に立ち向かうため「平和、安全、安定に関するロメ共同宣言」を採択した。

(渡辺久美子)

(西アフリカ諸国経済共同体、中部アフリカ諸国経済共同体)

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