日本の対米投資残高は2年連続で世界3位

(米国)

ニューヨーク発

2018年08月15日

米商務省経済分析局(BEA)は、2017年の海外から米国への対内直接投資残高を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(7月30日)した。それによると、2017年の投資残高は前年比6.9%増の4兆255億ドルとなった。2016年(12.2%増)と比べて増加幅は縮小したが、2003年以降、15年連続で増加した。

日本の2017年の直接投資残高は12.9%増に

2017年の米国に対する直接投資残高を国別(注)にみると、英国が6,149億ドル(前年比7.5%増)と最も多く、次いでカナダが5,238億ドル(14.5%増)、日本が4,769億ドル(12.9%増)となった(表1参照)。上位3カ国の順位は前年と同じで、日本は2年連続の3位となった。前年比に対する寄与度は、日本が1.5ポイントと、カナダ(1.8ポイント)に次ぐ2位だった。

表1 2017年の対米直接投資残高(国別)

業種別にみると、製造業が1兆6,072億ドル(前年比4.2%増)と最も多く、次いで金融・保険業が5,390億ドル(5.9%増)、卸売業が4,254億ドル(13.7%増)となった。製造業では、化学の7,027億ドルが最高で、輸送機器(1,496億ドル)、機械(1,017億ドル)が続いた。

表2 2017年の対米直接投資残高(業種別)

上位3カ国の投資残高を業種別にみると、英国は、製造業が2,587億ドルと最も多く、次いで金融・保険業(814億ドル)、情報業(523億ドル)となった。カナダは、製造業が1,255億ドルと最も多く、次いで金融・保険業(779億ドル)、卸売業(614億ドル)だった。日本は、製造業が1,560億ドルとやはり最も多く、次いで卸売業(1,195億ドル)、金融・保険業(822億ドル)の順だった。日本の製造業では、輸送機器(514億ドル)が最高で、化学(270億ドル)、機械(159億ドル)が続いた。なお、日本の輸送機器の投資残高は、諸外国中で最多となっている。

一方、2017年の米国から海外への直接投資残高は、前年比7.6%増の6兆133億ドルだった。国別ではオランダ(9,367億ドル)、英国(7,476億ドル)、ルクセンブルク(6,764億ドル)の順、業種別では持ち株会社(銀行を除く、2兆9,962億ドル)、製造業(8,701億ドル)、金融・保険業(8,264億ドル)の順に多かった。

(注)米商務省経済分析局(BEA)は、国別の対内直接投資残高について、投資主体が所在する国を基準とした集計値とともに、投資主体を最終的に所有またはコントロールしている事業体〔最終的な実質所有者(UBO:Ultimate Beneficial Owner)〕が所在する国を基準とした集計値を公表している。本稿における国別の対内投資残高は、UBOベースの値となっている。

(権田直)

(米国)

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