2018/2019年度予算案に基づき各種税法が改定に

(バングラデシュ)

ダッカ発

2018年08月14日

バングラデシュ政府は7月1日、2018/2019年度(2018年7月~2019年6月)予算案に基づき各種税法を改定した(詳細は添付資料参照)。直接税については、FOBでの輸出価格に対する源泉税の税率が0.7%から1%に変更された。輸出加工企業にとっては負担が増えるため、縫製業輸出加工組合(BGMEA)はこの増税に対して反発している。政府は前年度も源泉税の増税を試みたが、同様の反発にあい、年度途中で減税に追い込まれたため、今回も再び増税が撤回される可能性も残る。

間接税については、小売店で購入した商品に課せられる付加価値税(VAT)税率が4%から5%に引き上げられた。これに伴い、輸入時点でVATを徴収することを目的とした前払い貿易付加価値税(ATV)税率も4%から5%に引き上げられている。また、IT関連のサービスに対するVAT徴税も強化された。特に最近、同国で開始されたウーバーやパタオなどの配車サービスに対し、5%のVAT税率が課されることになった。

関税では、中古車およびハイブリッド車に関する税率変更があった。バングラデシュでは製造から5年までの中古車を輸入することができ、中古車はその年式に応じた減価償却率を控除して輸入することができる。改定前の減価償却率は最大40%だったが、これが最大35%に引き下げられた。一方、ハイブリッド車(1600~1800cc)の輸入時に関税に追加して課せられる補足税(SD)の税率は45%から20%に減税された。

恒久的施設(PE)を税法上に明文化

今回の改定では税率のみならず、制度面についても見直しが行われた。特に注目されるのは、課税対象として恒久的施設(PE)が税法第2条44A項に定義されたことだ。これにより、例えば駐在員事務所での営業行為や、就労ビザを取得していない外国人の役務提供などは、追徴課税などの罰則対象となる。バングラデシュ政府はこれまで、主に中国、インド、パキスタンなどからの不法就労者に対して警鐘を鳴らしていたが、表立った取り締まりは行われていなかった。さらに、従業員の納税申告や、移転価格税を主な対象とした半期に1度の源泉徴収税申告を行わない企業に対しては、税務監査が厳しくなる旨の警告も出されている。

(古賀大幹)

(バングラデシュ)

ビジネス短信 57196f9bd2186b8c