ドゥケ次期政権の全閣僚が決定、半数は女性に

(コロンビア)

ボゴタ発

2018年08月01日

8月7日に就任式を控えるイバン・ドゥケ次期大統領が、閣僚16人全員の指名を終えた(表参照)。ドゥケ氏は決選投票の勝利演説で、内閣の半数は女性にすると表明していたが、公約どおり16人中8人は女性となった。

表 ドゥケ次期内閣の顔ぶれ

大蔵・公債相に指名されたアルベルト・カラスキージャ氏は、ウリベ政権下で4年間、同職を務めた経験を持つ。外相には、外交官として国際経験豊かなカルロス・オルメス氏が指名された。オルメス氏は在日コロンビア大使館での勤務経験があり、その間、上智大学で国際関係学の修士号を修めた知日派でもある。農業・地方開発相に起用のアンドレス・バレンシア・ピンソン氏は現在、コロンビア養鶏業者連盟(FENAVI)の代表を務めており、過去にはコロンビアコーヒー生産者連合会の東京事務局長を務めている。オルメス、ピンソン両氏の日本における勤務経験は、コロンビアと日本との協力関係促進が期待できる。

今回指名された閣僚には民間出身者も多い。情報技術・通信相のシルビア・コンスタイン氏は、米フェイスブックやアップルで南米地区の公共政策や政府関係の責任者を務めた経験を持つ。鉱山・エネルギー相のマリア・フェルナンダ・スアレス氏は、コロンビア石油公社(ECOPETROL)の現副社長だ。商工観光相のホセ・マヌエル・レストレポ氏は、大統領をはじめ政治家を多く輩出しているロサリオ大学の学長を務めている。

また、経済学や法律の専門家が多いことからも、産業促進や汚職撲滅を掲げているドゥケ次期大統領の公約を反映した人選といえるだろう。

ウリベ元大統領が議員辞職を表明

コロンビア最高裁判所の召喚を受け、ウリベ元大統領が7月24日に自身のツイッターで議員辞職を表明した。ウリベ氏には、大統領時代の訴訟で証人を買収した容疑がかけられている。上院では、ウリベ氏の辞職願を受領後に本会議で審議が行われる予定で、辞職が認められれば、調査は最高裁判所から検察庁の手へと移ることになる。

ドゥケ次期大統領をはじめ、次期閣僚にはウリベ元大統領の盟友が名を連ねている。調査の行方次第では、新政権の運営に影響が出ることも考えられる。

(茗荷谷奏)

(コロンビア)

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