北朝鮮産石炭の搬入、韓国で入港制限を実施

(韓国、北朝鮮)

中国北アジア課

2018年08月22日

2017年8月に採択された国際連合安全保障理事会決議第2371号(以下、国連安保理決議)により、すべての国が北朝鮮産石炭の輸入などを行うことが禁止された。しかし2018年7月中旬頃より、韓国国内で北朝鮮産石炭などの不正輸入事案が大きく報じられ、韓国関税庁は8月10日にこれらの7事案に関する調査結果外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを公表した。

同調査結果は、一部船舶が北朝鮮産の石炭などを韓国に搬入した事実を確認したとしており、北朝鮮産の石炭などを運搬した船舶14隻(北朝鮮→ロシア、ロシア→韓国)のうち、国連安保理決議違反と認定可能な船舶に関しては、関係機関との協議により、入港の制限や留め置きなどの必要な措置を取る予定であることが示された。

その後の8月13日付けの中央日報日本語版の報道によれば、8月12日、韓国外交部当局者が国連安保理決議採択以降に禁輸品を持ち込んだ船舶に対して、8月11日から入港禁止措置を講じたと明らかにした。そして、該当船舶はSky Angel号、Rich Glory号、Shinning Rich号、Jin Long号の4隻であるとしている。

さらに、8月14日付けの聯合ニュースによれば、韓国政府が同事案に対する調査結果と措置を、国連安全保障理事会北朝鮮制裁委員会に書面で報告したとしている。

前述の通り、国連安保理決議で北朝鮮産石炭の輸入の全面禁止が決定されており、今後、安保理北朝鮮制裁委員会がこれら4隻の船舶を制裁の対象船舶に指定する可能性もある。その場合には、日本においても、特定船舶の入港の禁止に関する特別措置法に基づき、4隻の船舶の我が国への入港が禁止されることとなる。このように、今後の状況によっては、日本企業の物流展開に影響を与える可能性も考えられるので、今後の動向を注視していく必要がある。

なお、関連船舶の船籍およびIMO番号は次のとおり。

  • Sky Angel号(バヌアツ籍、IMO:9168441)
  • Rich Glory号(シエラレオネ籍、IMO:8649905)
  • Shinning Rich号(ベリーズ籍、IMO:9596923)
  • Jin Long号(ベリーズ籍、IMO:8730986)

(宗金建志)

(韓国、北朝鮮)

ビジネス短信 34424635165cd7ef