山東省の大手タイヤ企業が破産

(中国)

青島発

2018年08月28日

山東省東営市にあるタイヤ大手の山東永泰集団(以下、山東永泰)が8月2日に破産した。同社の破産申し立てが同市中級裁判所に認められた。10月25日に同市で第1回の債権者集会を行う予定という。

山東永泰は1996年に設立され、タイヤ事業を中心に電力事業なども展開していた。資産総額は35億元(約560億円、1元=約16円)で、工場面積は約53万平方メートル、従業員数は約3,000人に上る。主要製品の年間生産量はオールスチールラジアルタイヤ(all-steel radial truck tires)が150万本、セミスチールラジアルタイヤ(semi-steel radial tires)が600万本。米国のタイヤ専門誌「タイヤビジネス」の「2016年度世界トップ75タイヤ企業ランキング」(以下、「世界トップ75」)で32位、中国国内のタイヤ企業では10位にランクインしていた。

山東省は国内トップのタイヤの生産量を誇り、タイヤメーカーは約300社と全国の約6割を占める。「世界トップ75」でランクインした中国企業30社の19社が山東省の企業だった。

なお、山東省のタイヤ企業の破産は2017年から続いており、「中華網」(2018年8月20日)によれば、2017年から2018年8月1日までに35社が破産・清算手続きを行った。その背景には、2016年から続くASEANのゴム輸出制限や元安による原材料価格の高騰がある。また、山東省では2016年から環境に関する取り締まりが厳しくなっており、タイヤ企業にとって事業を継続するのが困難になっているという。

(朱秀霞)

(中国)

ビジネス短信 26a9953112d1ab5d