ソベツカヤ・ガワニがウラジオストク自由港の対象地域に

(ロシア)

欧州ロシアCIS課

2018年07月05日

プーチン大統領は7月3日、ロシア極東ハバロフスク地方の港湾都市ソベツカヤ・ガワニをウラジオストク自由港制度(以下、自由港)の対象地域に指定する連邦法に署名した。今後、同地区で特定の条件を満たす企業に税制・行政手続きなどで優遇措置が適用される。

署名されたのは、2018年7月3日付連邦法第181号「連邦法“ロシア連邦の地域自治組織の共通原則について”および連邦法“ウラジオストク自由港について”第4条の修正について」。市町村区の自治(権限含む)を定める法令に自由港の対象となった市町村区の例外規定を設け、自由港指定地域にソベツカヤ・ガワニ市区を追加するもの。

自由港制度は2015年7月に開始された。ロシア極東の5連邦構成体(沿海地方、ハバロフスク地方、サハリン州、カムチャッカ地方、チュコト自治区)のウラジオストクなど21カ所の市町村区が指定されており、今回の指定で22カ所目となる。ハバロフスク地方では同じく港湾都市のワニノが指定されている。自由港入居(認定)企業としての登録から3年以内に500万ルーブル(約850万円、1ルーブル=約1.7円)以上の投資を行うなどの条件を満たした企業(個人事業者含む)に、5年間の企業利潤税(法人税)や不動産税の免除など税制上の恩典や、外国人労働者の割当外での雇用、土地取得の迅速化、保税加工など行政上の優遇が与えられる〔調査レポート【ロシア】極東特区への企業進出進む(2017年8月)参照〕。7月4日時点で791社が登録されている。

極東発展省のパベル・ボルコフ副大臣によると、ソベツカヤ・ガワニの自由港対象地域への認定に当たり、総額540億ルーブル、雇用創出効果1,800人となる15件の投資が予定されている。投資先分野は、a.輸送・積み替え複合施設、b.貨物ターミナル、c.岸壁施設、d.木材加工製造、e.海産物製造、f.魚(サケ)加工、g.都市ごみ分別など。

同市区ウェブサイトによると、2018年1月1日時点の同市区の人口は3万8,876人で減少傾向にある。主力産業は水産加工、木材加工、建設、食品加工など。就業人口に占める中小企業の割合は48%で、中小企業1,622社のうち個人事業者は850社で、772社が(中小企業の)法人。2018年の同市区の社会経済発展に向けた活動の優先課題は、a.投資環境の向上、b.新しい投資家の積極的な誘致、c.魅力ある投資場所としてのイメージ改善、d.ワンストップサービスによる投資支援としている。

(高橋淳)

(ロシア)

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