外相会談で中国からの投資誘致に意欲表明

(エジプト、中国)

カイロ発

2018年07月20日

7月10日に北京で開催された第8回中国・アラブ諸国協力フォーラム閣僚級会合に、エジプトからはサーメハ・シュクリー外相ほか複数の閣僚が出席した。シュクリー外相は会合前に王毅外相と会談、双方は、両国の歴史的な関係を称賛し、さまざまな分野で包括的な戦略的パートナーシップが維持されていると評価し、相互に関心を寄せる国際問題や地域問題にも関与していくことを表明した。

シュクリー外相は、エジプトで進行中の経済改革によって今後生まれるさまざまな投資機会に触れ、中国からの投資を誘致したいと強調し、両国間の経済・貿易関係の発展を約束した。具体的には新しい行政首都(ニューカイロ)の開発、中国に優先交渉権が決定したハムラウェイン石炭火力発電所、水関連、港湾開発、鉄道など、多くのエジプトのメガプロジェクトへの中国の投資を歓迎した。中国側はエジプトの都心部に限らず、スエズ運河地域での多くの投資を進めることを表明した。中国外交部によると、王毅外相は「一帯一路」構想へのエジプトの参加を歓迎するとし、エジプト側も積極的に関与する用意があると表明した。

「アル・アハラム」紙(7月8日)によると、今回の会談では中東地域の政治課題にも言及があり、王毅外相からはエジプトで注目されるエチオピアのグランドルネサンスダム建設に関して、ナイル川を重要な水源として十分に理解すべきとし、全ての当事者の権利を守り、エジプト人の利害関係も尊重すべきとのコメントがあった。そのほか、リビア、シリア、イエメン、北朝鮮、イランの核問題、パレスチナとイスラエルの和平交渉など、地域共通の利益に関する問題についての議論も行われたとした。

両国の貿易は2016年にはエジプトの輸入が80億ドルを突破し、2017年はエジプトの変動相場制への移行などで減少したが、2018年は回復基調にある。エルシーシ大統領は2014~2018年の第1期政権時には4回中国を訪問するなど友好関係を築いてきた。

(常味高志)

(エジプト、中国)

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