CEMA、欧州委提案の車両型式認証の合理化を支持

(EU、英国)

ブリュッセル発

2018年07月24日

欧州農業機械工業連合会(CEMA)は7月20日、英国のEU離脱(ブレグジット)に伴う混乱を回避するため、車両に関するEU型式認証制度を改正する欧州委員会のEU規則案〔COM(2018)397外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます〕を支持すると発表した。この案は欧州委が6月4日に発表したもので、農業機械を含む車両について、条件付きでブレグジット以降も英国認証機関によるEU型式認証(注)を認める方針を示している。

サプライチェーン混乱回避の道を探る

CEMAは、この欧州委の提案がEU規則として発効することによって、農業機械(完成品)のみならず、エンジンや部品などについても、英国認証機関によるEU型式認証が認められることになることの重要性を強調。この効果で、英国原産のエンジン(英国認証機関によるEU型式認証を取得)を搭載した農業機械がブレグジット以降もEU市場(英国以外の27カ国)に流通できることになる。

ただCEMAは、同規則の完全な適用には最短でも9カ月のリードタイムが必要で、この欧州委の提案をEU規則として迅速に発効させる必要があるとして、同規則案の承認手続きを行う欧州議会と欧州理事会に対して速やかな対応を求めた。離脱日から逆算して十分なリードタイムを確保できなければ、「ハードブレグジット」となった場合、英国原産の部品は全て個別にEUとしての型式認証を取得する必要が生じ、CEMAによれば、「サプライチェーンを寸断し、生産工程に深刻な打撃となる懸念がある」という。

なお、欧州委が提案しているEU規則案は、ブレグジット以降も英国認証機関によるEU型式認証を認める前提条件として、「今後、新たな検査要件が適用されない限り」と定めており、EU側の運用次第では、随時、英国認証機関によるEU型式認証の効力を制限できる余地を残している。

(注)英国認証機関によるEU型式認証:正確には英国の認証機関指定の技術機関(テクニカルサービス)が発行した試験報告書(テストレポート)に基づいて行われるEU基準適合した型式認証のこと。

(前田篤穂)

(EU、英国)

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