EFTAとの自由貿易協定に署名

(エクアドル)

ボゴタ発

2018年07月04日

エクアドルと欧州自由貿易連合(EFTA)は6月25日、アイスランド北部の都市ソイザウルクロウクルで自由貿易協定(FTA)に署名した。今後、それぞれの批准手続きを経て発効となる。

EFTAの加盟国はスイス、ノルウェー、アイスランド、リヒテンシュタインの4カ国で、合わせて人口1,400万人、GDP総額9,640億ユーロ(2017年)の市場規模を持つ。2017年のエクアドルの対EFTAの貿易額をみると、輸出が9,500万ユーロ、輸入が1億2,000万ユーロだった(表1参照)。主な輸出品目は青果およびナッツ、カカオおよび同調製品、花卉(かき)などで、輸入は医薬品が約7割を占めている(表2参照)。

表1 エクアドルとEFTAの貿易額
表2 エクアドルとEFTAの主要取引品目

エクアドルとEFTAは、2016年6月27日にドイツ・ベルリンで開催されたEFTA閣僚会議において正式にFTA交渉の開始を決定し、11月に実務者レベルでの交渉を開始した。協定は、財貿易、サービス貿易、投資、知的財産権、政府調達、持続可能な開発と協力など包括的な内容となっている。

関税についてEFTAは、エクアドル原産の全ての工業製品および水産物の関税を即時撤廃する一方、エクアドルはEFTA原産の工業製品や水産物に関しては、段階的引き下げおよび撤廃を行う。また農産物については、エクアドルの主要輸出品目であるバナナやカカオに対してノルウェー、スイス、アイスランドがともに即時撤廃を受け入れ、それ以外の品目については、両者ともに段階的引き下げおよび撤廃を行うことで一致した。一方、スイス、ノルウェー、アイスランド産の医薬品に関しては、エクアドル側が一部を即時撤廃としたが、協定発効日から20%、2年目以降も20%ずつ毎年均等な引き下げを行い5年目に無税とする段階的撤廃も導入した。

2017年5月に就任したレニン・モレノ大統領は、前コレア政権の左派路線とは一線を画す政策方針を示しており、域外の国々とも新たな通商関係を構築しようとしている。6月28日にマイク・ペンス米副大統領がエクアドルを訪問した際にも、モレノ大統領は米国側に対して、エクアドル産の花卉やマグロに課している関税を撤廃するよう提案したと述べ、両国間の貿易と投資を促進させることで合意したと発表した。

(茗荷谷奏)

(エクアドル)

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