欧州自動車工業会、日EU・EPA署名を評価する見解発表

(EU、日本)

ブリュッセル発

2018年07月20日

欧州自動車工業会(ACEA)は7月18日、17日に署名に至った日EU経済連携協定(EPA)(2018年7月18日記事参照)に関する見解を発表。「国際貿易にとって前向きなシグナル」とした。ただし、日本における軽自動車に対する課税や規制面の優遇(欧州との不均衡)の問題について、今回のEPAには盛り込まれなかった点を指摘し、今後の解決に期待を示した。

規制協力・ルール共通化の継続に強い期待感

ACEAは「900億ユーロ(2017年)を上回る貿易黒字を稼ぎ出す欧州自動車産業の競争力を支える国際貿易にとって、日EU・EPA署名は明るいシグナル」との認識を示した。また、(EU側にとってセンシティブな)自動車分野の関税撤廃・削減について、7年という長期の関税撤廃期間(2017年7月7日記事参照)が設けられたこと、今後の規制協力継続を通じたルール収斂(しゅうれん)の枠組み整備などを評価するとしている。

このほか、自動車基準調和世界フォーラムなどの国際標準に準拠する日本側の取り組み進展に触れ、その結果としてEUで型式認証を取得した車両が特別な改修(追加のコスト負担)を行うことなく日本で販売できるようになるとした。こうした日本側の取り組みが、今後のルール策定でも考慮されることへの期待も示した。

ただし、日本における軽自動車に対する課税や規制面での優遇については「不均衡」と表現し、日EU・EPAで、この問題については盛り込まれていないと指摘。ACEAとしては、今後の税制見直しでの改善への期待を表した。ACEAは、EPA交渉開始当初から、日本での軽自動車優遇について、「撤廃」あるいは「欧州の同種の小型車への優遇適用」を求めてきた。

(前田篤穂)

(EU、日本)

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